ジャニーズ事務所の社名変更、どんな手続きが必要? 「ファンが作ったコミュニティ」が落とし穴!?【経験企業に聞いた】

山脇 未菜美 山脇 未菜美

故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り、揺れるジャニーズ事務所。10月2日には、社名変更の可能性などについて会見する予定だ。ところで、社名変更にはどのような手続きが必要で、どのような苦労があるのだろうか。実際に社名変更を経験した企業に話を聞くと、変更完了後に思わぬ落とし穴があったという。

ネット情報に昔の社名

取材に応じてくれたのは、大阪市にあるウェブ制作会社「ナンクマ」の中家啓文さん(50)。一人で会社を営み、2020年7月8日に社名変更した。「やり方はネットのまとめサイトを見て、商号変更登記の変更などは司法書士にお願しました。逆算して1カ月前から動き始めましたが、やることをリスト化すると40~50個ありました」。具体的には、印鑑変更、社名変更の挨拶メールやはがき送付、銀行口座など契約先の変更手続き、名刺作成、司法書士に必要書類郵送、ホームページやSNSのURL・プロフィール変更…など。掛かった費用は7万円ほどだった。

全て完璧に終えた―。そう思った後、同社を紹介するあるネット記事で、昔の社名が使われていた。「管理者に連絡して変更してもらいましたが、影響力の大きいジャニーズ事務所さんは、ファンが中心になって作ったSNSのグループ名や運営サイト名に『ジャニーズ』と入っているものが山ほどあるので、もしそれらも変更していただこうと思うとかなり大変で、丁寧なコミュニケーションが必要かもしれません」と話す。

また、ジャニーズは社名だけでなく、多くのグループ名にも冠されている。出版物や公式グッズには、社名やロゴが印字され、全て変更するのには、一部では億単位とも推測される。中家さんも「弊社は小規模ですので名刺や印鑑など含めて作り直すものは少なかったです。ジャニーズ事務所の場合は、関連するものが相当数あり、直近開催予定のイベントのグッズや来年のカレンダーなど発注済みのものなど、一つ一つ判断しないといけないですね」

9月7日の会見で、東山紀之新社長は「社名は変わらない」と明言していたが、報道陣の批判を受け、変更を検討する余地について「ある」と訂正。19日には東山紀之新社長名で公式サイトに「今後の会社運営に関するご報告」を掲載。「社名変更など、今後の会社運営に関わる大きな方向性についてあらゆる角度から議論を行い、向かうべき方針を確認した」と報告していた。10月2日に会見を開き、進捗内容を報告する予定。

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