4倍以上に…20代女性客増加で、売り場面積を拡大 商業施設が気づいた需要とは?

Lmaga.jpニュース Lmaga.jpニュース

大阪の人気商業施設「ルクア大阪」の売り場が、20代の女性を取り込むために徐々に変化しつつある。開業時から比べると店舗数・面積ともに約4倍以上となっているのがコスメショップだ。

2011年はコスメショップが9店舗約223坪だったが、2015年「ルクア イーレ(以下、イーレ)」が新たに加わり17店舗約357坪に。そして、今年はリニューアルを経て38店舗約961坪に。

特に大きな飛躍を遂げるきっかけとなったのが、2017年にオープンした人気のコスメ口コミサイト「@cosme(アットコスメ)」によるセレクトショップ「アットコスメストア」と、コスメティックブランドの「SHIRO(以下、シロ)」。関西内に支店があるにも関わらず、どちらも週末はレジに行列ができるほど人気だ。

そして、同施設の提案により、「アットコスメストア」は2020年に敷地を拡大しリニューアルし、9月1日に西日本最大の旗艦店「@cosme OSAKA(以下、アットコスメ大阪)」として約5倍となる270坪に。また「シロ」も2019年にお客の導線を考慮した改装をおこない、会計時の混雑を緩和できるよう9月1日に再度リニューアルした。

この2店舗が「20代の客層の取り込みに成功する大きな要因となりました。その後も「イソップ」「バウム」など人気ブランドの出店が続き、「イーレ」の2・3階にコスメの集積ができたことで、出店要望をいただくことも増えました。最近の傾向を見ていると20〜30代のお客から支持され、ギフト需要が高いお店は当施設で大変人気となっています」と同施設の広報担当者。

プレゼント需要を見込んだ施策も

コスメは自分自身への需要も高いが、プレゼントとしても人気が高い。「30代女性へ誕生日プレゼントを贈った、贈る予定と回答した20代から70代までの男女」(注釈1)でプレゼントしたアイテムの1位はコスメ、スキンケア用品、2位が洋服・靴などのファッションアイテム、3位はお菓子、お酒などの食品。そして、価格帯の1位は3000円〜5000円、2位が3000円未満となっており、洋服・靴であれば予算オーバーとなる可能性が高くなることからも、コスメ人気に納得できる。

実際、「シロ」は「いつもお客さんで賑わっていて、人気のようだから気になる」「何を取り扱っている?」と存在を知らなかった人も引き込んでしまう存在に。もともとフレグランスが人気で、女性に喜ばれるブランドとしても有名なことから、購入する人の半数はプレゼント用だそう。

特に人気なのは、ハンド美容液やハンドソープ、洗濯に使えるランドリーリキッドやファブリックソフナーで、製品サイズに合わせたギフトBOXも揃え、手提げ袋には同ブランドの香りをつけるという心遣いもお客から喜ばれている。

また、「アットコスメ大阪」でも、「プレゼント需要を見込んだ当店限定のセットも用意しております。また通常であれば当店専用のショッパー(紙袋)となりますが、例えばシャネルやエスティ ローダーなどの高級ブランドであれば、そのブランド専用の紙袋が喜ばれます。今回のリニューアルを機に、プレゼント対応としてブランド側にご協力いただきまして、一部のショッパーを用意しており好評です」。

コスメ店の拡大はもうひとつ利点がある。インバウンドだ。同施設は、2019年のコロナ前から比べると免税売上は倍に。そんななかで、今回オープンした「アットコスメ大阪」の姉妹店でもある「アットコスメトーキョー」は現在免税比率が平均25%、最大で30%(2023年9月現在)ということからも、海外観光客からコスメの人気が引き続き高いことが見込める。

「今までなら1つの商品を大量に購入されることが多かったのですが、今は自分に必要なものや旬のアイテムをしっかりセレクトして買う方が多いです」とアットコスメ担当者。接客スタッフ全員がiPadを携帯しgoogle翻訳などを活用していたが、今回の大阪店では多言語通訳サービス「KOTOBAL」を導入し、海外の顧客サービスをさらに強化していくそう。そんなことからも商業施設で、コスメ需要がさらに高まる様相を見せている。

「ルクア大阪」
住所:大阪府大阪市北区梅田3-1-3
営業:10:30〜20:30・定休日は施設に準じる
電話:06-6151-1111

■ルクア大阪(ルクア、ルクア イーレ)https://www.lucua.jp/
■アットコスメストア https://www.cosme.net/store/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース