2023年7月、個人の飼育放棄から保護された1頭のダップルのワンコがいました。推定3歳ほどのオスでその名はマーブル。
保護したのは埼玉県・茨城県を中心に、行き場を失ったワンコの命を数多く救ってきた犬保護団体・restartdog LIEN(以下、リアン)です。マーブルはすぐにリアンに参加する預かりスタッフにも心を開き、くったくのない笑顔を見せてくれましたが、聞けば悲しい過去を持っていました。
裏切られたことを根に持たない神のようなマーブル
マーブルは一度だけではなく二度も飼育放棄を経験していました。しかし当のマーブルはいたって良い子。二度も裏切られたのに人間が大好きな様子。初めての人にも尻尾をフリフリさせながらあいさつに来てくれます。
預かりスタッフさんは事前に「体格は普通よりも大きく、そしてよく吠えるワンコらしい」とも聞いていましたが、そんなことはありませんでした。ダップルとしてはごく標準的な体格であり、吠えるのは何かを要求する特別なときだけ。普段は無駄に吠えるようなことはなく、おとなしく過ごしています。もちろん、散歩もできて、おしっこもシートでちゃんとできます。
二度の飼育放棄が信じられないほどのお利口さん
マーブルを受け入れた預かりスタッフさんの家には、先住の中型犬がいます。この先住犬が少しでも変な動きをすると、さすがにマーブルもうなることはあります。しかし、平和主義のマーブル。自分から攻撃をしかけるわけではなく、うなりながらも身を低くし、「どうか僕を攻撃しないでくださいね」と伝えている様子です。
大好きなお散歩でも、自らリードを引っ張るようなことはなく、あくまでも「人間と一緒にいる」ことを意識しててくてく歩いてくれます。そして、お散歩中にすれ違った他のワンコに威嚇されても、相手にせずスルーすることができます。
接すれば接するほど、そのお利口さんぶりがよくわかるマーブルですが、同時にどうして二度も悲しい思いをさせられたのかが不思議でなりません。
元々その家で暮らしていたかのように溶け込んだ
預かりスタッフさんからもお墨付きのマーブルでしたが、保護から約1カ月で「迎え入れたい」という優しい里親希望者さんが現れました。他のワンコ同様、まずはこの方の家でトライアルを実施することになりましたが、新しい家でもやっぱりすぐに馴染み、ご飯をいっぱい食べて、おもちゃで遊んで、ソファーに飛び乗ってと、まるで元々この家で過ごしていたかのような素ぶりを見せてくれたそうです。
また、預かりスタッフさんの家では、マーキングをすることもあったそうですが、この家ではおしっこがしたくなると「お庭に行きたい!」と、窓をドンドンと叩いて教えてくれたと言います。
マーブルはこの家庭に迎え入れられることとなり、改めて「ルーク」という名前をもらいました。世話してきた預かりスタッフさんも「カッコ良い名前になったね!」と喜びました。そして、この優しい里親さんの元で、悲しい過去を忘れるくらい幸せに過ごしてくれることを願いました。
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