人気SNSアカウントがペット画像の無断転載の被害に 125万フォロワー「もふもふ動画」は問い合わせを無視、問題の投稿も放置

黒川 裕生 黒川 裕生

人気のペット画像などを無断転載してフォロワーを稼ぐSNSアカウントが相変わらず跋扈しています。日本ではTwitter(現X)の「もふもふ動画(@tyomateee2)」や「癒される動物(@cutest_animal1)」「動物・癒しbot(@animal_iyashl)」あたりが有名で、フォロワー数は8月30日現在、それぞれ約125.8万、60.9万、40.1万。この手のアカウントの存在を問題視する声は何年も前から上がっており、被害者が旧Twitter社に通報したりもしてきましたが、根絶されるどころかむしろ増殖し続けているのが現状です。先日、もふもふ動画に愛犬の画像を無断転載された人気アカウント「豆柴うに&ゴールデンレトリバーおから(@uni_okara0725)」さんに、被害の実態について聞きました。

豆柴うに&ゴールデンレトリバーおからさんは、アカウント名の通り、愛犬のうにくんとおからちゃんの微笑ましい日常をXやInstagram、YouTubeに投稿。Xは1.4万人、Instagramは21.4万人のフォロワーを数え、YouTubeのチャンネル登録者は8.28万人です(いずれも8月30日現在)。

もふもふ動画に無断で転載されたのは、うにくんがペット用ドライルームの中にいるちょっとSFっぽい雰囲気の写真。オリジナルは8月12日のInstagram投稿ですが、もふもふ動画は数日後の8月17日、「ニコニコしながらゲーミングPCに侵入してきたワンコ、あまりにも可愛い。」という事実と異なるコメントを付けてこの画像を投稿し、8月30日までに約7万件のいいねを集めています。

豆柴うに&ゴールデンレトリバーおからさんは、フォロワーからの連絡で無断転載を把握。もふもふ動画の当該投稿を引用する形でやんわりと指摘しましたが運営者からリアクションは一切なく、8月30日現在、投稿が取り下げられるなどの対応も確認できていません。

被害を受けた人の証言「無断転載多すぎる」

—無断転載を把握して、どんな気持ちになりましたか。

「許可もなく勝手に写真が使用されていることはもちろんですが、投稿文に記載されている内容もめちゃくちゃで正直驚きました」

—この画像が転載された理由に心当たりは。

「インスタでは『まるでロケットに乗っている柴犬みたいだ』と海外からの反応が多かったです。おそらくまだペット用乾燥機が浸透していないため、珍しい光景に見えたのかもしれません。いいねやコメントをかなり頂きました。その結果、インスタでかなりフォロワー数の多い海外のアカウントにも勝手に転載されていたみたいです…。これもフォロワーさんから教えていただいて知りました」

—無断転載に気づいた後、なんらかのアクションを起こされましたか。

「DMだと読んでもらえないと思い、その投稿に引用コメントを付けました。他の方の反応が多ければ、見てもらえる可能性があると思ったからです。もちろん運営側にも報告しましたが、いまだに投稿はそのままです」

—以前は中国のアパレル企業「SHEIN」のステッカーに写真を無断で使われたことがあるそうですが、こうした被害は何度も経験しているのでしょうか。

「沢山あります。SHEINの件は自分でネットショッピングしている際にたまたま見つけましたが、基本的にはフォロワーさんから報告を受けて知ることが多いです」

「あまりにも多すぎて、写真転載に関してはもう半ば諦め気味ですが、なりすましアカウントを作成され、詐欺まがいのDMをフォロワーに送っているという報告を受けた際には、流石にインスタのストーリーなどで注意喚起しました」

—無断転載、あらためてどのように思われますか。

「愛犬を沢山の方に見てもらえるのは嬉しいですが、当たり前のように勝手に使われるのはやはり許せないですね。投稿文に関してもオリジナルの投稿とはかけ離れた内容ですし…。使用するのであれば許可を取るべきだと思います。ましてや、そういった投稿を通じて詐欺を行うなんてことは絶対にあってはいけないと思っています」

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