30分程度の外出なら…「エアコンは電源を切らず、自動運転に」 総合家電エンジニアが解説する“節電術”

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今年も残暑が長引きそうな予感がしますので、エアコンの冷房機能は例年よりも長く使うことになりそうです。

今年5月に大手電力会社7社は、電気料金の値上げを申請。6月からは各社平均15%から40%近い電気料金の値上げが行われました。経済産業省が公開している資料によると、一部の大手電力会社は料金単価を再提出したため、料金プランの一部で値上げ率は低下していますが、それでも我々消費者に痛手となることは違いないでしょう。電気料金がますます高くなっていく中、関心が高まっているエアコンの節電方法について考えてみましょう。

先ず、環境省が推奨する室内温度は28℃です。ここで注意すべきはエアコンの設定温度が28℃という意味ではないことです。あくまで室温なのでエアコンの設定温度を28℃に設定されないよう注意してください。従いまして、お部屋に温度計を据えておくと便利でしょう。外気温度と室温の温度差を大きくすればするほど電力を必要としますので設定温度の下げすぎには注意してください。

また、エアコンは設定された温度に到達するまでフル稼働しますので、30分ほどの留守であれば電源を切らずエアコンを自動運転させておくと良いでしょう。この自動運転こそメーカー各社が技術力の粋を集めた節電機能です。自動運転をフル活用しましょう。

さらに、自動フィルター掃除機能が備わっているエアコンであっても2週間に1回のペースでフィルターをお手入れすることが効果絶大です。

自動フィルター掃除機能で取り除けるものは「フィルターに付着した乾燥状態のホコリなど」です。煙とともにエアコン室内機へ運ばれた油や、空気とともに運ばれた整髪料などがフィルターに付着しますと自動フィルター掃除機能では取り除くことができず、結果的にフィルター目詰まりの同症状となって冷房機能などが著しく低下します。取扱説明書に従って正しくお手入れしてあげてください。

また、見落としがちなのは室外機です。室外機周辺に自転車や植木などが置かれていないでしょうか。回りの空気を効率よく吸い込むことができなくなり冷房機能が低下します。室外機への直射日光を遮って影を落としてあげることも有効でしょう。

扇風機やサーキュレーターの風を利用して部屋の空気を循環させることでエアコンからの冷気を均一に届けることができます。冷気が部屋の隅々まで循環することで設定温度を上げても影響は少なく、結果的に節電につなげることができます。

エアコンとの併用で電気代が高くなる印象を持たれるかもしれませんが、ブラシレスDCモーターを搭載した扇風機やサーキュレーターであれば消費電力はエアコンの10分の1ほどです。エアコン単独運転によって設定温度を下げてしまう行為も抑制され、節電効果を望むことができると思います。

エアコン内部の洗浄は…

メーカー各社は、エアコン内部清掃に於いて市販の洗浄剤を使うことは推奨していません。また、カビなどの異臭を改善するために消臭スプレーを塗布することも同様です。洗浄剤や消臭剤がエアコン内部に残って、金属部品や電装部品に負担を掛けてしまい故障の原因となるためです。エアコンの洗浄はメーカーサービスまで御声掛けすることを推奨します。間違っても分解など行わないよう注意してください。

取扱説明書に記載されているお客様が御自身でできる作業範囲までに留めることが故障を抑制することにもつながります。

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◆本多宏行(ほんだ・ひろゆき)総合家電エンジニア
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート。家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「家電製品総合エンジニア(総合家電エンジニア)」資格を保持。

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