日本人には何かと悩ましい優先座席 スマートに席を譲り、譲られましょう

ハイヒール・リンゴのつぶやき

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 駐日ジョージア大使の方が優先座席に座っている画像をツイッターに掲載したことで批判を受け、公共交通機関の優先座席に対するご自分の考えを示されていました。「理屈のない不要な圧力は、生きづらい社会につながるためやめましょう。空いている席に座ることに何ら問題はありません。大切なのは、必要とする方が来たときに率先して譲る精神です」

 これはその文章の一部ですが、非常に納得のできる、理路整然としたものでした。ただ少し引っかかったのは「日本人は何かと悩ましい」ということ。「席を譲る」のは正しい形なのですが、そこに日本人というバイアスがかかるとちょっとややこしい。

 例えば席を譲られた時、外国の方は「ありがとう」と言ってスッと座られる方がほとんどなのに、日本人はまず「大丈夫です」とか言って一度は遠慮してしまう方が多いように思います。親切に対して「ありがとう」ではなく「結構です」と言う「いったん辞退」の文化があるので、立ち上がって席を譲った人も戻るわけにもいかず、かといって立っているわけにもいかずと、ものすごく中ぶらりんな状態になってしまう。それが日本人なのです(笑)。

 日本人って好意をスマートに示したり受け取ったりすることがとても下手だと思うのです。贈り物を持っていく時でも「つまらない物ですが」なんて言ってしまう。以前、阪急電車が性善説をとって優先座席をなくしてみたところ、「譲ってもらえない」「『譲って』と言いにくい」いう声が多くて元に戻したという経緯もありましたね。

 この私ですら、「この人、席を譲ったら絶対ちゃんと座ってくれるな」という人じゃないと言い出しにくい。譲りますから、ちゃんと好意を受け取って下さいねということなのです。

 最近はテレビなどの影響もあってか、募金文化も根付きつつありますが、もともと日本には「施し」の文化が寄付や募金の文化より強かったように思います。良い事をしても黙っている事が美徳というか。やっぱり人のために何かをする事を大っぴらにすることを良しとしない文化がどこかにあるのではないでしょうか。

 新型コロナが蔓延する直前、私がお化粧もせず、かなり若づくりのダボっとした格好で帽子、マスクをつけて地下鉄に乗って立っていた時の事です。前に座られていた方が私に席を譲って下さったんです。お礼を言って座ったのですが、はたして何の「枠」で譲って下さったのだろうと思って。若づくりしてボワッとしてたから妊婦さんと思われたのか(これは無理があるな(笑))、若づくりしているけど年配だとわかってくれたのか、それとも大きい荷物を持ってたからなのか。

 向こうも気が悪いだろうと思って聞くのを我慢したのですが、ずーっと気になって聞けば良かったと後悔しています。あの時席を譲ってくださった方、もしこの記事を目にされたら是非教えてくださいませ(笑)

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