台湾にも今年になって日本人観光客が戻ってきています。在台邦人である筆者が、日本から友人が来た時によく言われるのが「朝ごはんにお粥が食べたい」なんですが、実は台湾では朝ごはんのお粥はメジャーではありません。筆者も台湾へ移住する前は「台湾の朝ごはん=お粥」という認識がありました。ところが台湾へ来てみてびっくり。朝ごはんの時間帯にお粥はあまり見つかりません。中国や香港では一般的なようですが、台湾ではそうではないのです。
台湾には朝食専門店があるんです
台湾には「早餐店(ザオツァンディエン)」と呼ばれる朝食専門店があります。伝統的なメニューを扱うお店と、モダンな現代風メニューのお店の2つに分かれます。
伝統的な台湾朝食のお店では、鹹豆漿(シエンドウジアン・葱と揚げパン入りのしょっぱい豆乳)・飯糰(ファントゥアン・台湾式おにぎり)・小籠包・包子(パオズ・肉まん)、饅頭(マントウ・具なしの中華パン)・蛋餅(ダンビン・たまごロール)、そしてドリンクとしての豆乳とミルクティーなどがあります。値段設定もかなり安く、朝からにぎわっています。
一方、モダンな朝食のお店では、台湾式サンドイッチ(ハムやチーズなどの具で、パンにピーナッツバターが塗られている)・ハンバーガー・ベーグル・洋風な蛋餅などがあります。こちらも値段がリーズナブルで、40~70元(約180~320円)ほどで買うことができます。
蛋餅は、日本ではあまり見かけませんが、台湾の朝ごはんとしては定番中の定番。小麦粉や片栗粉で作った葱入りの生地に溶いた卵をかけて鉄板で焼き、具を挟んでくるっと巻いたもの。日本語では「甘くないクレープ」や「台湾トルティーヤ」と説明されています。
一般的な具は卵だけ、またはハム・チーズ・ベーコン・コーンなどを入れることができます。モダンスタイルの朝ごはん屋さんではツナサラダ・ハッシュドポテトなんて具も。筆者は先日「マッシュポテト蛋餅」を食べました。
ちなみに伝統的な朝食専門店でもお粥はめったに置いていません。
なんと!台北市内にある日本の牛丼チェーンで発見
ではお粥が食べたい時は。なんと最近になり、台北市内にある日本の牛丼チェーン「すき家」でお粥定食が食べられることを知りました。もともと台湾のすき家には朝食メニューがあり、安価で日本式朝ごはんを食べることができます。そこに加わったお粥定食は、在台邦人らの間でも「いいですね」「これ日本でも欲しい」などと話題です。
お粥定食は、お粥・牛丼の具・卵・漬物・のりがついて99元(約450円)。お粥自体には味がありませんが、ドライ玉ねぎと葱がのっていてとてもやさしい味。牛丼の具は日本のものと味が変わらず、とてもおいしい朝ごはん定食でした。
今後台湾に遊びに来て朝ごはんにお粥を食べたい方は、台湾すき家を選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。台北市内にはたくさんの店舗があり、屋台を探すより簡単に見つかります。日本にはないメニューなので、同じすき家でも台湾感を味わえるはずです!