7月7日は「川の日」です。そこで、あらためて日本の川の特徴を見てみると、まず、川の長さが短いことと、それにより、川の流れが速いことがあげられます。世界の大きな河川は長くゆるやかで滔々と流れていますが、日本は国土面積が小さく、しかも山地が多いため、世界に比べて川の全長が短く、上流から下流への流れが急で速くなってしまうのです。
本日は川の日。世界の大きな川に比べて長さが短く急な川が多い日本で、川の長さ、面積、川幅、それぞれの1位はどこの川なのかを見てみましょう。
「川の日」は平成8年、国土交通省が制定。7月は「河川愛護月間」
日本には「海の日」「山の日」の祝日がありますが、「川の日」があることをご存じですか。
海の日は7月の第3月曜日で決まった日にちはなく、山の日は8月11日で日にちが固定されていて、どちらも祝日です。
川の日は7月7日。祝日ではありませんが、1996(平成8)年、国土交通省が制定しました。国交省はこの日を川の日にした理由を、
(1)7月7日は七夕伝説の「天の川」のイメージがあること
(2) 7月が河川愛護月間であること
(3)季節的に水に親しみやすいこと
の3つとしています。
国交省は川の日を制定することで、河川に対する国民の関心を取り戻し、流域の良好な環境づくりなどについて住民や自治体の活動を支援するための啓発活動を行っているそうです。
参考
国土交通省:7月7日は「川の日」です。
日本一長い川は「信濃川」。2位は利根川、3位は石狩川
日本で一番長い川は「信濃川」です。信濃川は長野県と新潟県にまたがって流れる長い川で、長野県では千曲川とよばれ、新潟県との境で信濃川と名を変えて日本海に流れます。
全長367km。そのうち千曲川(長野県)が213.5km、信濃川(新潟県)が153.5kmで、千曲川のほうが60km長くなっています。
日本の川の長さベスト5を見てみると、
1位 信濃川 367km(長野県・新潟県)
2位 利根川 322km(千葉県など)
3位 石狩川 268km(北海道)
4位 天塩川 256km(北海道)
5位 北上川 249km(岩手県・宮城県)
となっており、信濃川が圧倒的に長いことがわかります。8月に開かれる信濃川での花火大会が楽しみですね。
参考
新潟県:【長岡】越後長岡百景の「1 信濃川(長岡)」を紹介します
長野県産業労働部 営業局:日本一■信濃川(千曲川)の流路延長(長さ)
日本一流域面積が広い川は「利根川」。2位は石狩川、3位は信濃川
利根川は千葉県銚子市で太平洋へと流れますが、その水源は新潟県と群馬県の県境にある大水上山(おおみなかみやま)に発します。そこから大小の支川を合わせ、群馬、埼玉、茨城、栃木、千葉、東京の1都5県を潤しながら関東平野を貫いて太平洋へと注がれます。
流域面積は1万6840平方kmと日本一。面積でいうと、埼玉県の4倍になります。そして、上述したように、川の長さとしては日本で2番目に長く、これは上越新幹線の東京から新潟までの距離と、ほぼ同じ長さです。
日本の川の面積ベスト5を見てみると、
1位 利根川 16842平方km(千葉県など)
2位 石狩川 14330平方km(北海道)
3位 信濃川 11900平方km(長野県・新潟県)
4位 北上川 10150平方km(岩手県・宮城県)
5位 木曽川 9100平方km(三重県など)
となっています。こうして見ると、川の面積ベスト5は、川の長さベスト5とかぶっている川が多いですね。
参考
国土交通省 関東地方整備局「利根川上流河川事務所 利根川のあらまし」
日本一幅が広い川は「荒川」。河川敷も含めると川幅2km以上
日本で最も川の幅が広い川はどこかご存じですか? 利根川? 信濃川? 正解は荒川です。その川幅は2537m。荒川の川幅が2km以上? と思われる方もおられると思います。
実は、荒川の川そのもの幅は数十mほどですが、荒川には河川敷も含めると2537mになる地点があるのです。それは、埼玉県の鴻巣市と吉見町の間の川幅。国土交通省は河川敷を含めた堤防の間を「川幅」と定めているため、たとえ水が流れている川の幅が100mに満たなくても、河川敷が広ければ、それが川幅となるのです。でも、河川敷が2km以上もあるなんて、やはり荒川は大きな川です。
荒川は、昭和時代の有名な学園ドラマのオープニングで川の土手が使われていて、なんとなく親しみがわく方も多いのでは。7月下旬(2023年は7月22日)には花火大会が開催されるとか。一度、その広さを確認してみたいものですね。
参考
鴻巣市:【日本一】鴻巣ー吉見間を流れる荒川の川幅(2,537m)
日本財団 海と日本in埼玉県:日本一の川、ここにあり! 埼玉県の「荒川」
夏を迎え、川辺でバーベキューやキャンプを楽しんだり、川遊びをする機会が増えてきました。川を利用するときは、各自治体などのルールにしたがって、気持ちよく楽しんでください。