1951年7月2日は、日本が国連教育科学文化機関(UNESCO/ユネスコ)に加盟した日です。これを記念し、毎年7月2日は「ユネスコ加盟記念日」とされています。ユネスコと言えば世界遺産。世界遺産には文化遺産と自然遺産、複合遺産がありますが、日本で登録されている世界遺産全25件のうち、自然遺産はたった5つだけ。今回は日本にある5つの世界自然遺産を総おさらいします。
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1.屋久島
鹿児島県の大隅半島から南南西に約60kmの海上に浮かぶ「屋久島」。驚異的な樹齢の屋久杉をはじめとした固有の動植物、珍しい自然環境を数多く有していることから、1993年に世界自然遺産に登録となりました。
屋久島の面積およそ504キロ平方メートル。その約2割にあたる約107キロ平方メートルが世界遺産として登録を受けています。南西諸島には900以上もの島々がありますが、樹齢数千年を超える原生林を有し、海岸部から山頂部におよぶ植生の垂直分布が見られるのは屋久島だけ。この特異な生態系と優れた自然景観が評価されています。
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中でも、1966年に発見された「縄文杉」と呼ばれる巨木は幹周16.4m、樹高約30mを誇り、樹齢は2,100年以上になるともいわれています。この縄文杉を観るには標高差約600m、往復で10時間程度かかる登山が必要となるため、しっかりとした事前準備が必須。縄文杉までの道中には、切り株の中から見上げるとハートの形が見える「ウィルソン株」や樹齢約3000年の「大王杉」などを見ることもできます。
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2.白神山地
「屋久島」と同じく、1993年に世界自然遺産として登録された「白神山地」。青森県南西部から秋田県北西部にまたがる130,000haのエリアの総称で、このうち、原生的なブナ林で占められている区域16,971haが世界自然遺産として登録されています。
人為の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林は東アジア最大級の規模。約8000年前の植生とほぼ変わらない森の姿を観ることができ、多種多様な動植物が生息するなど貴重な生態系が保たれています。
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白神山地はその広さのため、一度は見ておきたい景勝スポットや出会える動植物が多数。中でも、コバルトブルーに輝く「青池」はとくに有名で、晴れた日には池の底に倒れた木が見えるほどの透明度を誇ります。
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3.知床
北海道の北東部にある半島で、地図で確認するとサイの角のような形をしている「知床」。世界的に見てもごく限られた地域だけでしか見られない流氷が見られることで有名です。知床は、北半球において流氷が接岸する南限とされ、流氷によって運ばれる栄養分は海を豊かにし、サケなどの魚介類を育みます。川に遡上したそのサケをヒグマが食べ、その糞や死体が土に返り、知床の森を育みます。知床は、その希少な動植物の生息地としてはもちろん、海から陸、山へとつながる生態系が評価され2005年に世界遺産に登録されました。
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日本国内においては海洋を含む初めての自然遺産登録で、「オロンコ岩」「夕陽台」「プユニ岬」「フレペの滝」など、海に関する景勝スポットが多数。また、活火山を含む標高1,500m級の連山がある知床では「知床峠」や「知床五湖」、「カムイワッカ湯の滝」などを観ることができます。
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