みいくん(3歳・オス)は、2020年7月31日の夜に、京都府在住のHさんに保護された。Hさんは、暑い日は、19時頃に犬の散歩に行っていたが、その日は帰宅が21時半くらいになり、犬が待っていたので、少しだけと思って散歩に出た。すると、隣家の前で犬が何かに強く反応し、見たら道路脇に子猫が倒れていた。
「車に轢かれたようで動けなくなっていて、犬が近づくと大きな声で鳴き始めました。猫を触ったことがなかったので、近くの知人に来てもらい、箱に入れてもらって家に運びました」
最初は頑張ってシャーシャー言っていたが、だんだん元気がなくなってきた。Hさんは、「朝が来るまで怖かった」と言う。
保護した日にお母さんが、「昔から猫は“みい”って呼ぶから」と”みぃ”という名前が候補に上がった。翌日男の子と分かったので、「みぃくん」と呼ぶようになり、そのまま名前になったそうだ。
ママの膝は僕のもの
Hさんは、子どもの頃から猫が苦手で、自分で飼うことは考えられず、元気になったら里親を探すことにしていた。実際に募集を始めたが、事故に遭って後遺症があったので難航した。
「応募があっても、安心してお願いできる方になかなか出会えず、意識不明の重体の状態から頑張ってくれたこの子を、不安な気持ちのまま誰かに託すより我が家でと思い、引き取ることにしました9月末のことでした」
みぃくんは甘えん坊。独占欲が強いところもある。
「先住犬(小型犬)が飼い主の上に座っていると、離れたところからじっと見ていて、犬がほかの部屋に行くとさっと来て飼い主の上に乗り、犬が戻って来ても絶対に動きません」
Hさんのお母さんに、朝、コロコロをしてもらうのが大好きで、持つと飛んでくる。
「母が起きるのが少し遅いと、部屋まで呼びに行きます。なぜか朝限定で、朝以外の時間にコロコロを持っても、知らん顔をしています」
みぃくんを迎えてから、犬派の家族全員が「猫もかわいいね」とメロメロになり、家族の中心に犬と猫がいる暮らしになった。Hさんは、「生きてくれて、ありがとう」と思っている。