マッチングアプリで少子化対策!「ペアーズ」と自治体が連携開始、有料サービスのクーポン配布やセミナー開催など 三重県桑名市

小森 有喜 小森 有喜

マッチングアプリ大手「Pairs(ペアーズ)」と三重県桑名市が5月から本格的な事業連携を始めた。アプリの利用者増と自治体の人口減少対策というそれぞれの思惑が一致した格好で、恋愛に関する相談会開催やアプリの有料サービスに使えるクーポン券配布などに取り組む。

桑名市は県北部に位置。人口は2015年をピークに減少に転じ、昨年14万人を割った。出生数の減少とほぼ同じ割合で婚姻届の件数が減少しているという。

株式会社エウレカが運営するPairsはマッチングアプリの中で最も利用者が多く(22年9月時点、MMD研究所調べ)、昨年11月に同市と「独身男女の出逢いの機会創出等に向けた連携協定」を結んだ。自治体との本格的な連携は初めて。

事業は大きく分けて三つ。一つ目は市民向けのオンラインセミナーだ。Pairs会員の様々な相談に対応する「Pairsコンシェルジュ」という肩書きのエウレカ社員が、アプリの活用法や、詐欺などのリスクを避けながら安全に相手探しをするコツなどを伝授する。また今月25、26日には、イオンモール桑名でPairsコンシェルジュが日頃の恋愛の悩みにのる「お悩み相談会」も開催した。

このほか、Pairsの有料サービスを利用できるクーポン券も6月16日まで市民に配布。上記のイベント参加者のほか、市役所のSDGs推進課か桑名駅前のサテライトオフィスを訪れた独身の市民にプレゼントするという。

伊藤徳宇市長は「あらゆる手立てを講じていかなければならないという強い危機感と使命感を持っている」とし「若者の考えや気持ちに寄り添った施策を展開したい」と話す。エウレカの山本竜馬CEOはマッチングアプリについて「日本は諸外国と比較しても利用意向が低く、地方はそれがさらに顕著」とする。「自治体との連携で出会いと恋愛を促進してアプリの利用意向を高め、さらなる全国への浸透を促す起爆剤にしたい」と期待を寄せている。

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