セルフレジは高齢者に難しい? 「セミセルフレジで迷惑行為多い」投稿に反響、メモ持って対応する70代も

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 京都新聞の双方向型報道「読者に応える」に寄せられたスーパーマーケットのレジ係女性からの「セミセルフレジが増え迷惑行為が多い」という投稿を2月に紹介したところ、読者からさまざまな反応が届いた。セミセルフレジやセルフレジを巡っては、対応できない高齢者も多くいるとして高齢者専用のレジを設けるべきとの提案があったほか、自身の対応策を伝える70代女性からの声もあった。

 商品のバーコード登録から会計までを客自身が行う「セルフレジ」とともに、会計のみを機械で客が行う「セミセルフレジ」は近年、人手不足を背景に急速に普及が進んでいる。最初のレジ係女性からは▽客がレジカウンターにかごを置かない▽会計機の仕組みが分からず精算をしない▽客がアクリル板にぶつかり破損する-などの困った事例があるとの声が寄せられた。

 この記事に対しては、さまざまな意見が届いた。

高齢者専用レジを設けるべき

 「有人の高齢者専用レジを設置した方がいい」という提案をしたのは、スーパーでパートとして働く男性(47)=京都市右京区。自身の70代の母親を例に挙げながら「(高齢者は)年代的に機械操作に弱く、セルフレジやセミセルフレジを使わないと思います」とした。

 西京区の井狩恵子さん(73)も意見を寄せた。「よく行くスーパーや衣料品量販店はほとんどセミセルフレジやセルフレジになりました。精算機の前に立つと焦ってしまいます」と、機械に不得手な高齢者ならでの苦労を口にする。

操作方法をメモ

 セルフレジなどの列に並ぶと、井狩さんは「『不慣れなので、ほかへ回ってください』と後ろの方に言います。すると『いいですよ、ゆっくりやってください』と言ってくれる方が多いです。精算後『ありがとうございました。お先でした』とこちらが言うと、お互いに気持ちいいです」と話す。

 井狩さんは機械への対策として、新たな精算機が導入されると店員に使い方を聞き操作方法をメモしている。買い物には使い方のメモを持参し、精算機に向き合うという。「歳のせいにせず、変化に対応していかないといけない」と語った。

レジ係の女性は…

 スーパーのレジ係をしているという当事者からの投稿もあった。宇治市の60代女性は「よく取り上げてくれた」とコメントを寄せた。女性の職場では、セミセルフレジにお金を入れすぎたり操作が分からずお金を払わずに帰ったりする高齢者がおり、対応に苦慮しているという。

 一方で、スーパーは経営を維持するためにさらなる人員削減を考え、その結果として過労でけんしょう炎になったり体調不良になったりして休む従業員が多いという。女性は「会社が現場の苦労を理解してほしい」と望んだ上で、「お客様が怒鳴ったりせずにルールを守ってくださることを願います」とした。

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