大切なノートがびしょ濡れに…→ひと手間で復活!!創業93年の老舗メーカー推奨の裏ワザに11万人が「目から鱗」

ししまる555 ししまる555

 大切なノートが水に濡れて、フニャフニャになってしまった……誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。そんなときの解決法がTwitterに投稿され、11万いいねを集める大反響となりました。ツイートを投稿したのは、1930年に創業した老舗ノートメーカーの大栗紙工株式会社(@OGUNO_notebook)です。

「今日の雨でノートを濡らしてしまったら……冷凍してください!
①表面の水分をタオルでとる(中をめくっちゃダメ) 
②ジップロックに入れて、口を開けたまま24時間冷凍
③取り出して軽く振って霜を落とし、ノートの表面と裏面をペーパータオルにはさみ、雑誌でプレス(1~2日)
ドライヤーを使うと波打ちます。軽い濡れ具合なら、週末2日あればレスキューできるかと!雑誌=残った水分を吸収する、ペーパータオル=雑誌の印刷がノートに写らないようにすることが目的です」

 まさかの”冷凍”という技に、「もっと早く知りたかった…」「濡れてしまったときは、試してみます!」という声が殺到。大栗紙工では、リプライで集まった多くの質問にも一つずつ回答し、細かな補足説明や実験結果もツイート。

ーーうっかりドライヤーで乾かしてしまって、波打ってしまったときは?

「冷凍ほど綺麗にならない&フリクションは吹っ飛びますが……アイロン(ドライ・中〜高)で多少マシになります。波打ちがひどい箇所は高濃度アルコールスプレー(キッチン用でOK)で湿らせます。ドライヤーで硬くなったページは破損しやすいので、お気を付けください」

ーー時短したいときや、ページ数が多いときは?

「ページ同士がくっついているときは、無理に剥がさない方がよいです。冷凍すると、べっちょりだったページがファッと開くので、その際にコピー紙などを間にも挟む、上下の雑誌を適宜取り替えると、多少乾きが速くなります。凍らせると、風呂上りの猫のシッポみたいな状態から、怒った時の猫のシッポみたいになるので、ページ数が多いものは、その隙間にきれいな紙を挟んでください。間に挟む紙は、コピー紙のように薄手・印刷なし・凹凸加工なしのものがおすすめです」

ーー図書館の本や教科書にも使える技?本の表面にPP加工、マットPP加工などのフィルム加工が施してある書籍でも綺麗に回復できる?

「塗工紙や書籍のレスキュー方法については、司書の方や製紙業の方が正しくご存じかと思います。図書館の本は、まず図書館に連絡しましょう。司書さんたちはプロなので、指示に従ってください。ノートではない学校の教科書などの書籍は、様々な種類の紙が使われているため、ノートと同じ方法では失敗するリスクがあります。ただ、ドライヤーなどで急激に乾燥させてはいけない点は同じです。

 コート紙・アート紙などの塗工紙は、正直レスキューが難しいのですが、ご質問をいただき、なんとかできないものかと実験してみました。上手くレスキューできましたので、ご参考いただければと思います。

 濡れると、片面塗工の紙は、加工されてない側だけが伸びるのでクルクルになります。汚水で濡れた場合は、きれいな水で洗ってください。そのままにすると、張り付き・カビの原因になります。

 まずは、できるだけタオルやペーパータオルで水分を取ります。塗工紙は、乾くときにくっつく性質があります。また、家庭で冷凍するだけでは水分の抜けがイマイチのため、濡れてるうちに作業し、きれいな紙をはさんで平らな状態をキープ。乾いてしまうと張り付いたり、シワやカールしたまま固まるため、すぐレスキュー作業できないときの保存として冷凍は有効です。冷凍したものは、紙同士が結構がっちりくっついていましたが、自然解凍すると、めくれるようになりました。

 コピー紙をはさみ、上下にもあてて雑誌サンド。はさんだ紙・雑誌を適宜取り替えて、2日で8割方、乾きました。厚みのある冊子だと、かなり日数がかかると思います。8割方の乾燥からアイロンができるか実験したところ、ドライ低温でミラーコートの表面も大丈夫でした。温かいうちに雑誌等にはさんでカールを防ぎました。部分的に少しシワが残りましたが、この方法で無事にレスキューできました」

ーーコーヒーをこぼしたノートを綺麗にする方法は?

「古いシミは難しいかもしれませんが、最近のシミであれば、洗面器に薄めた漂白剤(塩素系)を張って、汚損部分を振り洗いします。洗面器1/3の水に某カビ取り剤15~20プッシュが目安。シミがぬけたら、真水でもう一度振り洗いして、あとは冷凍庫にイン。うっすら残りますが、かなりマシになります。水性インクを使っている場合は流れてしまうので、書いた部分になるべく水がかからないように&短い時間で終わらせます。

 漂白剤が濃いと罫線も消えてしまいますので、薄めて使いましょう。水洗いすると、当然ですが水性ペン(ラインマーカー・水性ボールペン等)は流れます。フリクションを使用している場合、冷凍すると消したはずの文字が浮かび上がることがあります。醤油汚れにも応用できます。条件により失敗のリスクもある方法であることを、ご承知おきください」

ーー濡れたときに冷凍するのは、一般的な方法?

「水に濡れた紙の冷凍乾燥は、図書館や考古学でも用いられる手法です。ですので、紙や本を扱う業種ではご存知の方も多いのではないでしょうか。紙についたコーヒーを落とす方法は、Twitter担当者が印刷業だった父親から昔聞いた生活の知恵を、実際に試してみたとのことでした」

今回の反響の大きさについて、大栗紙工の大栗さんに聞いたところ…

ーー今回のツイートの反響については、いかがですか?

「過去一番の反響の大きさでした。昨年8月の『ムスカの手帳』ツイートの記録2.5万いいねを、大幅更新いたしました。弊社では、発達障がい当事者の方向けの、目に優しいノートをオリジナル製造販売しているのですが、ありがたいことにその商品のお問い合わせもたくさんいただき、社内みんなで嬉しいねぇ、と喜んでおります。

 水濡れ対策について、リプライ等で大勢の方が『過去の自分に教えたい』と仰っていて、同じようなお困りごとを経験している方がたくさんいるのだなと感じました。『ノートの会社なら、レスキューするより新しいものを買ってもらった方がいいのでは』とのリプライを何件かいただき、言われて初めて『あ、そうか(笑)』と思いました。ノートを作っている会社としては、お手元のノートを大事にしていただけると嬉しいですし、書いてあることが皆さんそれぞれの宝物なので、復旧できるものは助けて使い続けていただきたいです。ノート屋の知恵が役に立って嬉しい反面、役に立つ機会がないことを祈ります」

◆大栗紙工株式会社(HP:https://og-shiko.co.jp/
大阪市生野区巽北3丁目15番7号
TEL:06-6752-0856

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