『習字セット、息子はスパイラルドラゴンにすると言ってるのだけど、大きくなったら買い替えたいとか言い出さないかな…実際どうなんだろ…スパイラルドラゴン買った親御さんどうでしたか…いますか…?現役ですか?スパイラルドラゴンは…(誰か大丈夫っていってくれ!!!!!)』
習字セットの選び方について、Twitterで意見を募集したのは、usagiさん(@usagi72727272)。小学校3年生から始まる書道の授業のために用意する習字セットは、中学校でも使う場合が多く、高校でも選択科目によっては引き続き使うことになります。
usagiさんが小学2年生(今年春から3年生)の息子さんに、「中学、高校まで使うらしいよ、ほんとーーーにドラゴンでいいのね?」と聞いたところ、「友達と話のキッカケになるじゃん、ウケると思うからそれでいい」と答えた息子さん。揺るぎない回答に、我が子ながら「強い……」とusagiさんも感心してしまいます。
昔は習字セットといえば、ランドセルと同様に赤・黒の2色展開だけでしたが、今では様々なバリエーションが展開されています。その中でも、習字セットに限らず裁縫セットや筆箱など、様々な学用品で愛されてきたドラゴン。しかし出費を考えると、親としてはなるべく買い替えをせずに末永く使ってほしいもの。中学、高校まで長く愛用できるシンプルなデザインにした方が良いのか、子どもが欲しいものを買ってあげた方が良いのか……対応に悩むところです。
ドラゴン派、続々と現る
心配するusagiさんの質問に、リプライでは様々な意見が集まりました。
「現役高校生です。中学まで使い切りました。ドラゴンめちゃ人気です。なんなら勇気を讃えてもらえます。ドラゴン同盟なる仲間もいました(笑)。雑に扱って壊れたので、今はトートバックに入れ替えました。本人の判断で本人に買い替えさせたらいいと思いますよ」
「うちの長男も結局ドラゴンにしましたが、中学生になって恥ずかしくない?!って聞いても、そんなの気にもならないって言われました(笑)。ドラゴンは一定数いるので、イジられても笑い話みたいです。ドラゴン懐かしい〜みたいな!逆にかっこいいだろ!みたいな(笑)」
「似たようなドラゴン柄の裁縫道具を小学生のころに選び、女子で2人だけでしたが、中学の授業までは現役で普通に使ってましたよ(笑)。なんなら実家で今も現役です。見慣れすぎて、恥ずかしいとか思ったことはなかったです。男の子なら、なお大丈夫かと思います!」
「習字・彫刻刀・裁縫セット、すべてドラゴンシリーズにしました。他の親に『後から恥ずかしいって言われるよ』と忠告を受けましたが、その時は外側だけ作るなり買えばいいと思ってましたし、ほぼドラゴンのまま使い切りました」
「将来的には地味目でずっと使えるやつで良かったって思うけど、親に『これにしときなさい!』って言われて、親の好みのものを支給されていた子ども時代は、正直ションボリでした。買い替えたいって思ったらお小遣いを貯めて自分で買い替えさせるとかもいいかも。自分の選択や発言に責任生まれそうだし」
「うちの子もそんなのを欲しがりまして、一生使うんやで!違うの欲しいって言っても絶対あかんよ!→絶対言わん!欲しがらん!というのを何回か繰り返して、中学校入ったらやっぱり別のが良いとかほざいたので、自分で言ったんだから責任持てと通しました」
「最初どれにする?と息子に聞いたとき、ドラゴン柄を選びましたが、『習字セットは大きくなっても使うからシンプルなものがいいよ』と説得し、スポーツブランドの習字セットにしました」
「高校生になったら、オレってモノ持ちいいんだ、浮気しないよ、って彼女口説いてると思う。大丈夫」
シンプルなものを選ばせた、という声も一部ありましたが、ドラゴンで全然大丈夫、子どもが欲しいものにしてあげるのが一番、という意見の方が大多数でした。リプライの反響に勇気づけられ、最終的に息子さんのチョイス通りの「スパイラルドラゴン」を購入することにしたというusagiさん。
知られざるスパイラルドラゴンの歴史
習字セット「スパイラルドラゴン」のメーカーである、青葉出版株式会社の教材部の井上さんに、ドラゴンの歴史を聞きました。昭和36年に創業した青葉出版では、様々な学校教材を展開しています。
ーー商品名は「スパイラルドラゴン」ですが、習字バッグには「SPIRAL TRIGGER」と描かれています。なぜでしょうか?
「描かれている『スパイラルトリガー』は、デザイナーが、旋風を巻き起こすドラゴンという思いを込めて記しています。商品名の『スパイラルドラゴン』は、お子様たちがイメージしやすいよう、わかりやすくするために、あえてドラゴンとしております。『スパイラルドラゴン』は画材セットでも展開しています」
ーー青葉出版さんの書道セットにドラゴンが登場したのは、いつ頃でしょうか?
「弊社の習字セットでドラゴンが登場したのは、2009年となります。現在の『スパイラルドラゴン』で6代目となります。ちなみに他の商品で、家庭科で使用する裁縫セットがございますが、そちらの方が登場が早く、2001年となります。しかし裁縫セットのドラゴンは、2016年に販売終了いたしました」
ーー様々な学用品で展開されてきたドラゴンですが、ネットでは絶滅を心配する声もあります。ドラゴン人気の移り変わりを教えてください。
「10年ほど前までは各社ドラゴンを展開しておりましたが、だんだんと減ってきたことは事実です。 昔はドラゴン以外にあまり選択肢がありませんでしたが、現在では男の子向けのデザインも様々展開しており、その分、ドラゴン以外を選ぶお子様が増えたことが、ドラゴン人気の低下と言われる原因の1つだと考えられます。しかし弊社では2020年頃から販売数が回復し、ここ3年ではある一定数の販売数があります。ドラゴンを好まれるお子様は今でも一定数いらっしゃいますし、お子様の選択肢を広げる意味でも、まだまだ必要であると考えています。シンプルなものを好まれる保護者様がいらっしゃることも承知しておりますので、そういった商品を企画することも大事だと考えています」
ーー習字セットにバリエーションが増えてきたのは、いつ頃からでしょうか?
「昔は四角い形状で赤・黒の2色だけでしたが、1995年頃からチェック柄、パープル色、黒地に緑の縁取り等、カラーバリエーションを増やしました。その翌年、四角からバッグに近い形状のものを発売し、2006年から現在のようなバッグタイプをメインで展開しています。現在弊社ではバッグタイプの12種類の他に、従来の四角い形状のものも2種類、展開しています」
ーー今年春の習字セットの売れ筋ランキングを教えてください。
「1位『チェリッシュ』、2位は『グランドール』、3位は『スパイラルドラゴン』でした。『スパイラルドラゴン』と僅差で、『グレース』が4位でした」
ーー『鬼滅の刃』デザインに、SNSでは驚きの声もありましたが、いかがでしょうか?
「『鬼滅の刃』は2021年に登場しました。それ以前は、習字セットにおいては漫画のキャラクターは展開しておりません。裁縫セットでは、2012年~2016年に『ワンピース』を展開しておりました」
ーー子どもが欲しいデザインか、長く使えるシンプルなデザインか、SNSでは様々な意見がありましたが、いかがでしょうか?
「仰るとおり、ご意見は二分していると承知しております。ただ、 どちらが正解ということでもないとも考えております。私どもとしては、お子様がより学びやすいよう、より使いやすいようにと考えて商品企画を行っております。加えて、お子様一人一人がお気に入りの学習用具を喜んで手にして学んでいただけるように、という思いも込めて、教材バッグの企画をおこなっております」
◆青葉出版株式会社
広島県福山市北本庄1丁目15番1号
営業部 TEL:084-923-4440
※青葉出版の習字セットは、全国の販売代理店を通して小学校内での販売となっているため、ご家庭からのご注文は受け付けておりません。