【卵ショック】大阪銘菓チーズケーキが値上げ「りくろーおじさんも泣いている」販売個数を制限し行列も「たくさん作れなくてごめんなさい」

山脇 未菜美 山脇 未菜美

深刻な鶏卵不足を受けて、大阪の銘菓で知られる「りくろーおじさんの店の焼きたてチーズケーキ」の販売個数が制限され、衝撃が広がっている。ホームページ上には、キャラクターの「りくろーおじさん」が卵を持って涙を流す姿が表示され、ネット上で話題に。

一部店舗では焼きたてのみの販売で行列をなし、早い時間に完売する状況になっている。3月15日から、チーズケーキ1個865円が965円に値上がりすることも発表された。

大阪を拠点にする株式会社リクローが販売するチーズケーキは、底にレーズンが散りばめられていて、軽く、ふわっとした食感が特徴。1ホールをお手軽価格で購入でき、関西のお土産として人気を誇っている。

ホームページに「重要なお知らせ」が掲示されたのは2月18日。鳥インフルエンザの流行による鶏卵の原材料不足のため、当面の間、一部商品を販売休止、販売個数を制限することを発表した。「人気の焼きたてチーズケーキの販売個数を1人2個までに制限する」とし、りくろーおじさんが涙を流すイラストが印象的だった。

3月2日には、一部商品の価格改定を発表。チーズケーキは865円から965円になるほか、とろ~りプリンは230円から260円など9種類を変更。パイ系も値上げし、アップルパイは1380円から1480円とする。同社は「全国的な拡大を見せる高原病性鳥インフルエンザによる鶏卵相場の高騰、また、上昇が続くエネルギーコストや包装資材や物流費、このような状況を受け、弊社としましては最大限努力を進めて参りましたが、企業努力のみでは吸収することが困難であると判断しました」と説明している。

株式会社リクローに取材をお願いすると、「卵不足に関しての取材はお答えしないということにさせていただいております。卵に関してチーズケーキの分は目途がついてきました。確定したらHPなどでお知らせする予定です」とメールが返ってきた。

 ニワトリのえさ高騰、鳥インフル追い打ち

そもそも、卵不足はなぜ始まったのだろう。JA全農たまごによると、昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻がきっかけ。ニワトリのえさとなるトウモロコシがウクライナから十分に供給されず、価格が高騰。エサが足りないため、鶏舎がニワトリの数を減らしていった経緯がある。一方、新型コロナウイルスの感染が落ち着くと、外食を楽しむ人が増加した。卵の需要が高まって供給が足りず、価格高騰に拍車を掛けたという。

追い打ちをかけたのが、昨年9月から広がる鳥インフルエンザの感染拡大。殺処分数は今年2月までに約1500万羽となり、全国で飼育するニワトリの約1割になる。担当者は「過去最高の数字です。2年前の殺処分数が1000万羽で多いと言われていたので、稼働羽数は激減しています」と話す。

卵の卸値は現在、関西地区のMサイズで1キロ340円。2019年の平均卸値が173円だったため、4年間でほぼ倍増しているという。

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