先日、神戸市内を走る一台のタクシーに目が留まりました。一見普通のタクシーですが、ナンバープレートをよく見ると「えっ、もしやミャクミャク様…?」と、右端上の方にトレンド入りも果たしたキャラクターを発見することができました。
ミャクミャクとは、2025年に大阪府大阪市此花区の夢洲で開催を控える国際博覧会(以下、大阪・関西万博)の公式キャラクターです。細胞が分裂したような赤い頭に青い体がついたデザインで、一目見れば忘れられないビジュアルです。
そんなミャクミャクのナンバープレートを付けているのは、京都府に本社を置くMKタクシーの車両。同社担当者によると大阪・神戸・京都・滋賀を合わせて400台ほどがこのプレートで街を走っているといいます。
「1月中旬ごろから順次導入しており、大阪・神戸ではほぼ全車、京都・滋賀ではEV(電気自動車)でこのナンバープレートを採用しています」(MKタクシー担当者)
ミャクミャクは、昨年7月に名前が決まった際、名前のインパクトとその神々しい見た目からSNSで「ミャクミャク様」と祀られ、なんちゃって逸話・神話を作る人が続出。さらにその見た目は「めちゃくちゃ好きです」「ちょっと怖い…」と、SNS上でも賛否が分かれ、ツイッターでは当時トレンド入りするまで話題となりました。
たくさんついた目など、子どもや一部の人には怖がられてしまいそうな見た目ですが、タクシー利用者の反応はどうなんでしょうか。担当者に聞いたところ、「まだ取り入れて日は浅いのですが、『街で走っているのを見たよ』という方もいらっしゃって。そういった声をいただけるのは嬉しいですね」と、意外にも既に受け入れられているよう。
このナンバープレートを取り入れた理由についてMKタクシーは、「弊社が関西の企業ということもあり、大阪・関西万博を盛り上げていきたいという思いから実現に至りました。特に大阪や神戸は開催地なので、全車にこのナンバープレートを取り入れています」とビッグイベントを周知させるために一役買っています。
インバウンド景気への期待も大きく、「実はドライバーへの周知も兼ねています。大阪・関西万博は弊社が送迎などお仕事で今後関わることもあると思いますし、弊社では近年英会話ドライバーを増やすため勉強会などをしています。万博では海外のお客様もいらっしゃると思いますので、それに先駆けてドライバーにも大阪・関西万博を意識してもらうという目的もありますね」と語りました。
企業などでは大々的に取り上げている一方で、肝心の大阪・関西万博の認知度は芳しくないよう。ITツール比較サイト「STRATE」(運営:株式会社SheepDog)が、宮城県・東京都・愛知県・大阪府・福岡県に住む15〜29歳の男女300人を対象に実施した調査では、「大阪・関西万博が開催されるのを知っていますか?」の問いに、「知っているが、興味はない」(45%)、「知っていて興味があり、行ってみたい」(29%)と続き、「知らない」と回答した人は26%に。4人に1人が知らないという結果になりました。
MKタクシーの400台に及ぶナンバープレートが、認知度向上につながるのかもしれません。同社タクシーでのミャクミャク付ナンバープレートは大阪・関西万博終了頃まで装着予定。
また、国土交通省の公式サイトでは、自家用登録車・事業用登録車・自家用軽自動車を対象に、大阪・関西万博特別仕様ナンバープレートの申し込みを受付中。そのほか大阪市では、3月8日より原動機付自転車を対象にミャクミャクをあしらったナンバープレートの交付をスタートする予定です。