【大阪オートメッセ2023】ボート載せちゃうアウトドア仕様、水素エンジン搭載のトレノ 「ひろげる つながる クルマのワクワク」がテーマ

小嶋 あきら 小嶋 あきら

 2月10日から12日まで、大阪南港のインテックス大阪で大阪オートメッセ2023が開催されました。今回で第26回目を数えるこのイベント、以前はちょっとやんちゃなものも含むカスタムカーの祭典といったイメージでしたが、近ごろでは大手メーカーの展示にも力が入ってモーターショーに近い感じになっています。

 今回は「ひろげる つながる クルマのワクワク」をテーマに、インテックス大阪の1号館から6号館までをフルに使っての開催です。

 10日午前10時、メインステージでオープニングイベント、主催者と来賓からの挨拶とテープカットが行われました。大阪・関西万博のキャラクター、ミャクミャク様も登場して、盛り上がりを見せていました。

インテックス大阪をフルに使って見応え充分

 とりあえずものすごく規模が大きな今回のオートメッセ、じっくり見て回ると1日では回れないかもしれません。できるだけサクサクと回ろう、そう自分に言い聞かせて会場に入ります。最初に6号館に入ったのですが、いきなり「アルミホイール屋さんがアルミホイルを配っている」というとても大阪らしいブースに出くわしました。JAWA(ジャパンライトアロイホイールアソシエイション)という団体です。「これ面白いですねー」と言うと「良かった、うけましたー」とアルミホイルを1本くれました。いや、うれしいです、こんなんなんぼ有ってもいいですからね。

 サクサク歩いていると、いきなり巨大なミニ四駆が現れました。ガイドローラーもちゃんと回って、巨大なプラスねじの頭も再現されています。このネジを回すドライバーはきっと、ドラム缶のようなグリップが付いているに違いありません。エンジンはフォルクスワーゲンの空冷フラット・フォーで、実際にサーキットを走ったのだといいます。もちろんガイドローラーをぶつけてコーナーを回る、というのは無理なんだそうですが。遊び心に胸が熱くなります。

大手メーカーのブースにはコンセプトカーも

 日産のブースでひときわ人々の注目を集めていたのは、巨大なガルウイングドアを持ったコンセプトカーです。ルークスをベースに、ものすごく贅沢な車内空間。軽自動車とかそういう枠を超越してしまっています。さらにまるで車体と一体化したようなお洒落なトレーラーには、アップライトピアノが載っています。なんかいろいろドラマが生まれそうなクルマです。

 ダイハツのブースには、屋根の上に被せるような形のボートが載った、アウトドア仕様のアトレーが有りました。屋根を外すとそれがそのまま手こぎボートになる(実はこれは本物の屋根ではなくて、下にちゃんと屋根がある)という、アドベンチャーにもほどがある、これまたドラマが生まれそうなコンセプトカーです。他に、胴体がまるでねばーる君のように延びて、中でゆっくりくつろげるハイゼットと、同じカラーリングで統一感のあるコペンのセットも皆さんの目を惹いていました。

 世の中のアウトドア人気を受けて、屋根の上にテントを装着したRVも今回は目立ちました。そんな中でもひときわ特別感があったのはレクサスです。ランドクルーザー・プラドをベースにしながらも、内装や内張、塗装に至るまで全てがレクサスの基準で作られて別次元の静粛性を達成した、そんな車体の屋根に、テント。レクサス様によじ登るなんてそんな畏れ多いこと、バチが当たるんやないですかね。

 隣のトヨタブースには、昔懐かしいAE86、レビンとトレノが並んでいました。片方はEV、もう片方は水素エンジン車に改造されたクルマです。どちらも給油口の蓋がオリジナル通りで、それぞれ「電気に限る」「水素に限る」と書かれている遊び心が良いですね。担当の方に聞くと、両車とも中古車市場から買ってきた車体を徹底的にリフォームしたのだそうです。どちらも新車のようにピカピカです。86を選択したのは「古いクルマにも適用できる技術だということをPRするため」だといいます。また特に水素エンジン化するのはシリンダーもピストンもオリジナルが使えるので、実はEV化よりも施工のハードルは低いんですよ、というお話が意外でした。

 いま乗ってる車が将来排ガス規制で乗れなくなったときにはEV化してでも乗り続けたい。そんなこだわりを持っている人の話は良く聞きます。筆者の周りにもそういう方は居られます。もしかするとこの先、水素エンジン化するというのも現実的な選択肢になるかもしれません。

やはり大阪オートメッセ、カスタムカーも楽しい

 さて、その後はオートメッセらしい、個性溢れるカスタムカーです。とにかくペタペタに車高を落とした鬼キャンバー仕様のシャコタン車、今回もしっかり健在でした。実際に乗るといろいろ大変そうですが、見てる分には確かに迫力があります。ただ一時見かけた車軸から突起物が突き出した、あのベン・ハーの戦車みたいなやつは見かけなくなりました。それと、魔改造系。軽トラックに隼の1300ccエンジンをミッドシップした車体など、まさに「自由かっ!」ていう感じで楽しかったです。これもまた一つの「クルマのワクワク」なんじゃないでしょうか。

 朝から見始めて、会場を出る頃には日が暮れてました。今回のオートメッセ、ホントにボリュームがすごかったです。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース