カメラ好きが高じて、200万円の超望遠レンズを購入した男性がいる。Youtubeなどでカメラの魅力を発信している「ふぁらお」さん。これまでにカメラに費やしたお金は1千万円以上。いろんなものを試してきたが、200万円のレンズは一味違ったという。「遥か遠くにあるものが今、目の前で呼吸をしているかのようなリアルさを伴って写真になる。ある種の手品のような、奇跡が起きた感覚」と感動を語る。
6年前に写真を始めたふぁらおさん。ネオン街や風景を幻想的に切り取ったり、動物の生命力あふれる姿を写したりして、ツイッターやインスタグラムに投稿している。カメラの魅力について「日常では決して見られないような世界の切り取り方が可能になるのが面白い」と熱弁。今では13本ほどのレンズを持ち、総額1千万円以上をカメラに費やした強者だ。
50メートル先から撮影「目が透き通り、毛並みや皺まで鮮明」
200万円のレンズは昨年11月、ニコンから発売された「NIKKOR Z600mm f/4TC VR S」。公式オンラインサイトの価格は218万9000円。超望遠域をカバーし、解像度とボケ味を両立させた臨場感あふれる描写力があるレンズ。ワンタッチで被写体に寄れる「内蔵テレコン」という機能が備わり、場所を移動せずに被写体の表情に迫れるという。買わない選択肢はない―。購入は即決だった。早速、サルの撮影に訪れてツイッターに写真を投稿し、こう記した。「200万のレンズ買ったら一瞬で元取れた」
正面を向いたサルの写真は、つぶらな目が透き通り、ふわっとした毛並みや顔の皺まで繊細に活写。湯に浸かる1枚では、水のしたたり具合まで鮮明に映っている。夕日に照らされたススキは黄金にきらめき、独特な世界観を醸し出している。サルは30~50メートル、夕日は50~60メートル離れた場所から撮った。「あまりにもクリアに写り、どこまでも解像し、ため息が出るほど繊細なぼけ方をした」。感動のあまり、この時だけで4000枚もシャッターを切った。
ふぁらおさんによると、安いレンズでもある程度はきれいに撮れる方法はあるという。だが、どのような状況、どんな角度でも美しい作品になるのは、このレンズならではだそう。ちなみに、撮影場所は「秘密」とのこと。