出版社「宝島社」(本社、東京都千代田区)は1月5日、企業広告「団塊は最後までヒールが似合う。」を読売新聞朝刊(全国版)、朝日新聞朝刊(全国版)、日本経済新聞朝刊(全国版)、日刊ゲンダイに同時掲載しました。
団塊世代女性「応援された気分」
ボンデージ風衣装に身を包み、凛とした表情でポーズを決めるのは歌手で女優の中尾ミエさん(76)。クロスさせた鍛えられた足、高さ10センチ以上はありそうなピンヒールが印象的です。
同社では広告を出した理由について「かつて世の中を賑わせた団塊世代のみなさんが、後期高齢者になります。そんな団塊世代の背中をもう一度押せたらと思いました」と説明。「団塊世代が元気になれば、日本のシニア層の活力になります。ミドル世代にとっても、年を取ることに対する不安も減るのではないでしょうか」と投げかけました。
5日の朝刊で同広告を見たという兵庫県内に住む70代女性は、「心の中で『やったー!』とガッツポーズしました。私もまだまだ頑張るぞと。応援された気分。これはいいわぁ」と興奮気味に語りました。
SNS上には早朝から「宝島社とんがってる」「ヒール=悪役か」「ヒールの広告面白い」「インパクトある」などの声が上がっています。
広告内のコピーは次の通り。
「かつてこんなにも疎まれながら、たくましく生きてきた世代があっただろうか。団塊は、他の世代にとって永遠のヒール=悪役だ。彼らは年を重ねてなお、他人におもねることはしない。いまだに野心でギラギラしながら、高齢化という時代の主役を張っている。団塊よ、どうか死ぬまで突っぱって生き切ってくれ。他の世代を挑発し生きてくれ。表舞台から去るのはまだ早い。ナースコールの前にカーテンコールだ。あなたたちの生き様に嫉妬をこめて、盛大な拍手をおくらせてほしい。」
「社会に伝えたいメッセージ」これまでも話題
同社は1998年、「企業として社会に伝えたいメッセージを企業広告を通して伝えたい」という思いから企業広告を開始。2016年「死ぬときぐらい好きにさせてよ」では、ジョン・エヴァレット・ミレイの名作「オフィーリア」をモチーフに、女優の樹木希林さんが小川の中で横たわるビジュアルを公開し、大きな反響を呼びました。
最近では2022年10月の「世界を敵にまわして、生き残ったヤツはいない。」、2022年1月の「男でも、首相になれるの?」などが話題になりました。