生き残っていた子猫
陸くん(1歳・オス)は、2021年11月下旬、ダンボールに入れて民家の裏に捨てられていた。全部で7匹の子猫が入っていた。民家の住人が発見した時、陸くんだけが生き残っていたそうだ。推定生後約1ヶ月、体重は385gだった。
Fさんは、2021年7月に昔保護した猫を20歳で亡くした。保護当時はまだ乳離れしていないような子猫だった。Fさんはずっと一人暮らしをしていたが、猫が寄り添うように暮らしてくれたので、いつしかすっかり猫好きになったという。
「その子を亡くしてから喪失感が大きくて、しばらく新しい猫を迎える気にはなれませんでした。でも、友人が陸を保護したので、会ってみることにしたのです。陸はすぐに駆け寄ってきてくれました。早く安心させてあげたいと思い、即決で引き取ることにしました」
子猫の教育中
陸くんは家に来ると、すぐに家中を走り回っていた。とても人懐っこい猫で、遊び疲れるとFさんの腕の中ですやすやと眠りについた。
子猫なので、まだ甘噛みが強くて少し困っている。
「噛まれたら軽く噛み返して、しばらく無視しています。すると噛まなくなるので、根気強く繰り返しています」
育ち盛りで何にでも興味を持つのはいいが、あちらこちら傷だらけにされるので、壊されて困るものは置かないようにしているそうだ。
「猫にやめさせるのは難しいので、叱るのではなく、叱られるようなことができないようにしています。それでも想定しないことをするので、毎日大騒ぎです(笑)」
ツンデレのようだけど寂しがり屋
陸くんはツンデレのように見えて、実は寂しがり屋。定期的に「抱っこタイム」を要求してくる。人のことをよく見ていて、Fさんが部屋着ではない服を着ると、出かけるのを察知して追いかけてくる。
「出かける時は寂しそうな目でニャーニャー鳴きます。帰ってくると玄関で待っているし、ごはんも残っていて、私を見るなり安心してがっついています」
好きな遊びはお気に入りのおもちゃを投げること。
「猫じゃらしの釣り竿のようなもので追いかけっこをすると喜びます。前の子よりかなりヤンチャですが、やっぱり可愛くて愛おしい子です」