「昨夜部活を終えた中学生たちが、校内で弱って雨に打たれていた猫を連れてきました。学生たちに伝えました。猫は耳カットありの若い雌猫さんでした。保護のこと、お外にいる猫のこと色々と話しをしてから、気持ちはとてもよくわかる、だが、方法は三つしかないことを伝えた」とツイートしたのは、城下町にゃんこの会和歌山さん(@nyankonokai1)。そこには、ケージの中で丸くなった黒猫が写っていました。
三つしかない方法とは何でしょう。ツリーには、
①飼ってくれる人を責任を持って探すこと。元気になるまで自分が面倒をみること。
②愛護センターで引き取ってくれるから連れて行くこと。ただし殺処分やむなしであること。
③そのまま放置すること。
と書かれていました。
城下町にゃんこの会和歌山は、和歌山市を中心に野良猫の不妊手術TNR(T=TRAP「つかまえる」N=NEUTER「不妊手術する」R=RETURN「元の場所に戻す」)とサポート。捨てられたり、望まれずに産まれた子猫たちと里親様との縁つなぎをしている保護団体です。黒猫を保護した高校生たちに何を伝えたかったのでしょうか。お話を聞きました。
ーー耳カットしてあったのですね。
「でも、地域猫というのではなく 単に避妊手術されたさくら猫と思われます。学校内でもあり、特定のお世話している方はいないようです」
ーー子どもたちは納得していましたか。
「いえ、『じゃあ 見捨てるしかないのですか?』と言った子もいました。ただ ひとりの学生が、自身の家庭で猫を保護して里親探しをしたこともあったらしく、その学生と元保護猫を飼っている学生が理解を示してくれました」
ーー団体様を頼る気持ちも分かります。
「『そちらで預かってくれないのですか?』と言われたので、そもそもあなた達が何とかしたいと思った猫ちゃんですよね。治療費もかかるし、お世話もしないといけない。それから何よりも飼ってくださる人を探さないといけない。それを他人に押し付けるのは違うと思いますと伝えました。それについては他の学生も納得してくれました」
ーー「かわいそう」だと思うと辛いでしょうね。
「はい。かわいそうと思う猫なら私にも何匹もいます。そもそもこの寒い中、外で暮らす猫というのはかわいそうで仕方がない、ということを伝えました。かわいそうだと思うだけでは助けられないということを理解してほしかったのです」
ーー猫は入院したのですか。
「いや、今は入院せずに受診のみで、こちらでお世話をしています。もう少し元気回復するまでは 預かる予定です。あと、いったん保護したら、元に戻すという選択肢はないと私は思っています。もしも学生たちが、元居た場所に戻すことを選択したら、引き取る覚悟をしてお話ししました」
ーー学生たちは、保護団体のことを知っていたのですね。
「うちのすぐ近所の学校ですし、彼らの中に、私どもから保護猫を迎えてくださった里親様宅の息子さんがいたので、相談してくれたのだと思います」
ーー猫を見つけたら相談してもらいたいですか。
「保護した猫をどうしても、何としても助けてやりたいと思われるなら、ぜひとも相談していただきたいと思います。それぞれができることをして、補い合えば良いと思います」
ーー野良猫や地域猫を減らすにはどうしたらいいでしょうか。
「お外で生まれる猫を増やさないことしかないと思います。今回の経験をした学生たち、またこの話を聞いた方たちがそのように思ってくださることが理想です。地域猫というのは幸せではありませんから」