TikTokで流行中→犬の「かわぴーダンス」は危険! 犬のプロによる訴えに「ぬいぐるみの様に扱ってはダメ」「知らなかった!」

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

犬の前脚を「左右に大きく開かせる」のが問題

ーー「鎖骨」がない犬にとって、前脚を左右に広げる動作は危険なのですね。前脚を上下に動かして頬に押し当てる「かわぴー」ポーズ自体は問題ないのでしょうか?

「はい。犬の前脚を犬自身の頬に当てたり、上にあげる動作はいいのですが、犬の前脚を左右に大きく開かせる、ということが問題なんです」

ーー歌に合わせて犬に何かさせたいなら、どんな動きやポーズなら安全ですか?

「犬の身体を飼い主さんが持って動かすようなダンスではなく、コマンドやおやつなどで誘導して、犬自身が自らやる行動を”ダンス風”に見せるなら安全かと思います」

ーーちなみに、犬と人間が共に競技をする「ドッグダンス」は安全ですか?

「はい。『ドッグダンス』は犬自身も楽しそうにしていますし、安全です。そもそも『ドッグダンス』は、人間が犬をコントロールして、犬自身が能動的にその行動を選択するようにしているもの。つまり、犬が自身で行動するので、犬にとって不可能な動きはできないですよね」

「信頼関係」が崩れる→「異常行動」

ーー「かわぴーダンス」以外にも、犬にとって危険だと感じる行為はありますか?

「正確な名称がわからないのですが、海外のSNSから流行した『すべての動物が怖がる動き』を、愛犬や愛猫に試す飼い主さんがいらっしゃるのを見かけます。信頼関係を壊すことになりますので、いざというときに、『待て』や『おいで』といった、ペットの命を守る行動ができなくなります。

それ以外にも、犬がごはんを食べている最中に、わざと近づいて怒らせ、その顔を撮影して投稿している方もいらっしゃいます。これを続けると、ごはんやおやつに過剰に執着する『フードアグレッシブ』という異常行動に繋がります。犬は食べるために生きています。ごはんの時間は、誰にも食事を取られる不安などなく、集中して食べられる環境を作ってあげていただきたいです」

ーー松本さんは、「愛玩動物飼養管理士1級」「小動物飼養販売管理士」「愛玩動物救命士」「犬と住まいるコーディネーター」「ホリスティックケアカウンセラー」と、動物に関するたくさんの資格をお持ちだそうですね。松本さんの考える「犬という動物との理想的な暮らし方」とは…?

「犬という異種動物を人間社会に連れてきた責任として、犬の生態を知り、人間社会でその犬という存在を守ること、そして、犬が苦手だったり嫌い…という方の生活と笑顔も守るために、犬を能動的にコントロールすることが『犬と暮らす』ということ、というのが松本秀樹の定義です」

◇ ◇

飼い主にとって、愛犬や愛猫は大切な「家族」。しかし、感情や意思の共有はできても、「人間」とは身体構造や性質が大きく異なることを、きちんと理解しておくことが重要だ。

犬のプロフェッショナルである松本秀樹さんは、松本さん自身が出演していたテレビ番組『ポチたま』で、3代目旅犬としても活躍した10歳になるラブラドールレトリーバーの男の子、「まさはるくん」と暮らすドッグオーナーでもある。

TwitterやInstagramを通して「犬と暮らす」上でのさまざまな情報を発信すると共に、「犬を従える時代から犬と暮らす時代へ」をモットーにした『松本秀樹にまかせ隊』を運営。犬を飼う人たちが抱える課題や悩みに寄り添っている。

■松本秀樹さんのInstagram「macha.daichi」

■『松本秀樹にまかせ隊』

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