集中率1位は北海道、分散率1位は茨城県 人口集中の強弱を可視化した地図が話題

中将 タカノリ 中将 タカノリ

人口が特定の都市に集中している都道府県を可視化した統計地図がSNS上で大きな注目を集めている。

「都道府県の中でどれくらい人口が特定の市町村に集中しているかを示す地図を作りました。人口分布ジニ係数という指標を用いています。集中率1位は北海道。分散率1位は茨城県。」と件の統計地図を投稿したのは京都で地理学を学んでいる大学院生の永太郎さん(@Naga_Kyoto)。

三大都市圏では比較的、人口が分散しているが、北海道や高知県では特定都市への集中が顕著。永太郎さんはこの統計地図の製作にあたり、人口分布ジニ係数(0から1までの値をとり、1に近いほど偏在、0に近いほど均一であることを表す指数)について国土交通省国土計画局総合計画課が公開している資料を参照したそうだが、日本全体の人口分布ジニ係数は年々上昇しているようだ。

永太郎さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「言われると確かに極端な大都市ってないんだよな茨城・・・」
「高知市は32万6千人だが、次に多い南国市は4万6千人しかいない 南国市は次点の自治体として日本唯一、市制施行ラインの5万人を割り込んでる 高知県全体の人口は67万5千人であり、高知県民の約半分が高知市民そりゃ真っ赤っかになるはずですわ…」
「面積1位2位の北海道と岩手が対照的。岩手の沿岸部は似た様な環境だろうから、その中ではよく分散してそう。また可住地の開発の歴史には1000年の隔たりがあるから、それも影響してるんだろう」
「鹿児島市は平成の合併前から50万人くらいでしたが、周辺をかき集めて合併してまで政令指定都市になりませんでした。それ以前から大規模住宅開発にも規制をかけてました。たぶん交通他のインフラが限界(日本一通勤に時間がかかるそうな)なのにバイパス等の整備に必要な土地がないからでしょうね。」

など数々の関心の声が寄せられている。

永太郎さんにお話を聞いた。

ーー特定の市町村への人口集中を示すのは斬新な視点だと感じました。今回の地図制作のきっかけをお聞かせください。

永太郎:知り合いに頼まれて日本の人口分布について調べていたことがきっかけです。東京一極集中の話はよく話題になりますが、では都道府県ごとに見るとどうなんだろうと思って制作しました。

ーー制作されて意外だったことや新発見などあればお聞かせください。

永太郎:福島県がかなり集中傾向の強い県という結果が出たことに驚きました。福島県というと福島市、郡山市、いわき市に分散しているというイメージがあったのですが、全体の人口で見るとその3つの市に人口が集中しており、その他の市町村との開きが大きいことがこうした結果に繋がったようです。反対に、北海道や高知県が集中的なのは予想通りでした。

ーーこれまでのコメントや反響へのご感想をお聞かせください。

永太郎:茨城県民からの反応が多かったのが印象的ですね。茨城県の人口は水戸市、つくば市、日立市などいくつもの市に分散しており、今回の結果は地元民の感覚にもマッチしていたようです。また、この地図を作った前日には、「人口1位の市と2位の市の差がどれくらいか」を示す地図も作っていたのですが、同じ集中、分散を示す指標でも、かなり結果が変わってくるのが興味深いなと思いました。

◇ ◇

永太郎さんは本稿に向け、人口1位の市と2位の市の差がどれくらいかを示す統計地図を提供してくれた。

あわせてご覧いただけると各都道府県の人口分布状況がさらによく理解できる。

なお永太郎さんは今年1月、重永瞬名義で今回ご紹介したような統計地図をまとめた著作「統計から読み解く色分け日本地図」(彩図社)を出版している。出生率や盛んな産業などさまざまな情報が可視化された力作なので、ご興味のある方はぜひ手に取っていただきたい。

永太郎さん関連情報

Twitterアカウント:https://twitter.com/Naga_Kyoto/status/
重永瞬著「統計から読み解く色分け日本地図」(彩図社):https://www.amazon.co.jp/gp/product/4801305830/

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