「ちょっと、いつまでかかってるの!」レジを急かす女性客のぞんざいな言葉 クレーマーから店員を救うためだった

伊藤 大介 伊藤 大介

店員をつかまえ、「態度が悪い」「値引きしろ」とネチネチ因縁を付けるカスタマーハラスメント。そんなカスハラ被害に遭っていた店員さんに対して、「ちょっと店員さん!いつまでかかってるの?」「急いでるんだけど!」と割って入った女性客がいました。厄介な客がまた一人現れたのか…と思いきや、この女性客の言動には真意がありました。タジマオオカ(@pu92yu)さんがカスハラ被害から救われた実体験を描いた漫画に、「こういったお客様は本当に神様としか思えないです…」「最後のコマで何度も泣ける」と約18万件のいいねが付きました。タジマさんに聞きました。

クレーマー追い払い「ああいうの大嫌いなの」とほほ笑み

店員のタジマさんがネチネチしたクレーマーにつかまっていた時、その女性客はタジマさんとクレーマーの間に割って入ってきました。女性客は「ちょっと店員さん!」と声をかけると、「いつまでかかってるの?」「5個包んでほしいのよ。急いでるんだけど!」と自身が購入する商品を早く包装するよう求めました。続けてクレーマーに対しては、「お宅さまが先よね。おいくつ注文でいらっしゃるの?」と投げかけ、追い払いました。クレーマーを退散させるため、わざと大きな声を上げた女性客は、打って変わって優しい表情をタジマさんに浮かべ、「ああいうの大嫌いなの。ゆっくり包んでくれていいから」とほほ笑みかけたといいます。

ーークレーマーにからまれた状況について教えてください。

「開店直後に来店した方で、『一番最初の客だからサービスをしろ』というような内容です。お断りすると『態度が悪い』となりました。(カスハラの被害に遭う時間は)大体10分〜30分程で、この時は30分位です」

ーー同僚が助けに入ったりしないのでしょうか。

「朝の時間帯ですので私1人でした。それに、周りの同僚が間に入る事はかなり難しいです」

安心感から泣きそうに

ーーカスハラを退けた女性客はどのような方でしたか。

「40代後半〜50代くらいと思います。カスハラさんに対してはにらむ訳でもなく毅然とした表情で、私に対しては落ち着いた優しい表情を浮かべてくださいました。私は何か話し掛けられたら、安心感から泣いてしまいそうな状況でした。お客様もそれを察してくださって、色々話しかける事はせずにゆっくり静かに梱包を待っていて下さいました」

「このようなことが初めてでしたので、その瞬間はとても驚きました。有り難くて、泣き出しそうで、言葉にならなくて。そんな気持ちです。もしまたお会いできたら、自分ができる最高の笑顔で、言葉遣いで、その方に最高の接客がしたいです」

ーー投稿が反響を呼んでいます。

「反響には本当に驚いてしまって。いまでも驚いています。いただいた多くのコメントやツイートから、周囲の方々が温かい思いで見てくださっている事を知りました。とても嬉しく有り難く、多くの方々から勇気を頂きました。感謝の気持ちでいっぱいです」

◇  ◇

タジマさんは「この時の事は私の宝物です」と話し、投稿が拡散する中で、「もしかしたらあの時助けてくれたお客様にも届くかも…!なんてドキドキしてます」と女性客に感謝の思いが届くことにほのかな期待を寄せています。カスハラは因縁を付けて従業員を罵倒し、「家はどこ?」「結婚してる?」「終わりまで待ってるよ」などと身の危険を感じさせる言葉を投げかけてくるといいます。もしただならぬ雰囲気で客に責められている店員さんがいたら、「こっちの会計をお願いします」と声をかけてみてもいいかもしれませんね。

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