日本の「金持ち企業」ランキング 「ファーストリテイリング」「信越化学工業」を抜いた1位は?

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企業の与信管理にかかわるサービスを提供するリスクモンスター株式会社は、このほど第11回「金持ち企業ランキング」の調査結果を発表しました。2022年7月1日時点で開示されていた2021年4月期決算以降の最新決算に基づき、企業の現預金から有利子負債借を差し引いた実質的な手元資金である「ネットキャッシュ」の金額について、3330社を対象に比較したところ、1位は前回の第10回調査に続き「任天堂」(1兆2065億円)だったそうです。

1位以降のランキングは、2位「信越化学工業」(1兆824億円)、3位「ファーストリテイリング」(7020億円)、4位「SMC」(6733億円)、5位「リクルートホールディングス」(6089億円)、6位「SUBARU」(5490億円)、7位「第一三共」(4990億円)と続きました。

ランキング上位20社にランクインした企業のうち、16社においては前回調査よりもネットキャッシュが増加しており、1兆円を超える企業は2社(任天堂、信越化学工業)となっていたそうです。また、業種別では、上位20社のうち製造業が13社を占めていたといいます。

なお、前回順位と比較すると、前回43位だった「第一三共」は7位と大幅にランクアップした一方で、海外企業の買収を実施した「セブン&アイ・ホールディングス」は前回の9位から3165位、「パナソニック」は前回の10位から3110位と、大きく順位を下げる結果となっていたそうです。

なお、ランキング上位20社の「現預金」「有利子負債」「営業キャッシュフロー」についてそれぞれ集計。

現預金では「任天堂」(1兆2065億円)、「ファーストリテイリング」(1兆1777億円)、「信越化学工業」(1兆1128億円)、「スズキ」(9643億円)、「SUBARU」(8831億円)が上位に。

また、有利子負債においては、「任天堂」「キーエンス」「ファナック」「ネクソン」「東京エレクトロン」の5社が0円だったそうです。

営業キャッシュフローでは、「信越化学工業」(5535億円)、「リクルートホールディングス」(4396億円)、「ファーストリテイリング」(4290億円)、「任天堂」(2897億円)、「東京エレクトロン」(2834億円)が上位となっていたそうです。

調査した同社は、「スズキ」や「ファーストリテイリング」について「負債は多いものの、それを上回る現預金を有していることが、金持ち企業ランキング上位の要因となっている」と説明。またネットキャッシュが1兆円を超えている「任天堂」「信越化学工業」おいては、「多額の現預金を有し、且つ有利子負債が少ないことが金持ち企業ランキング上位の要因であり、有利子負債による財務レバレッジを効かせずに、高いキャッシュ創出力を有していることが分かった」とも述べています。

続いて、上位20社の「配当性向」を調査したところ、1位は「第一三共」(77.3%)、2位は「SUBARU」(61.3%)、3位は「ファナック」(60.0%)と続きました。

前年度との比較では、20社中12社の配当性向が低下しており、前年度に100周年記念配当を実施した「シマノ」(51.8%→18.8%)や、前年度から純利益が2倍となった「ファーストリテイリング」(54.2%→28.9%)では、前年度から配当性向が20ポイント以上低下していたといいます。

同様に、金持ち企業ランキングベスト100の企業における「配当性向」をみると、前回調査では100社中54社が上昇していた一方で、今回調査では59社が低下していたそうです。2022年3月期決算の上場企業のうち、3社に1社が最高益を更新し利益が増加している一方、現下の不透明な経済環境を考慮し、積極的な増配による株主還元には慎重な企業が多かったことが見て取れたそうです。

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調査を行なった同社は「本調査の結果からは、『企業業績は好調だが、事業環境が不透明であるためキャッシュは使わず貯めている』企業が多いといえます」と説明。

一方で、「先行きの見えない状況において、不測の事態に対応できるだけのキャッシュを確保しておく必要があるとはいえ、本ランキング上位は、日本の中でも安定性の高い優良企業ばかりであり、今後の経済回復の牽引役となっていくべき企業です。新型コロナウイルスの終息や懸念される経済環境が改善した際には、これらの企業が現下に積み上げたCashを積極的に活用することにより、景気回復の後押しとなることを期待します」とも述べています。

※ネットキャッシュについては▽日本会計基準「現預金−(短期借入金+長期借入金+社債+1年以内返済の長期借入金+1年以内償還の社債+割引手形)」▽国際財務報告基準では「現預金−有利子負債」「現預金−(借入金+社債+割引手形)」「現預金−(短期借入金+長期借入金+社債+1年以内返済の長期借入金+1年以内償還の社債+割引手形)」のいずれかで算出したそうです。

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