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夏休み終盤までゲーム三昧の息子「オリャーーーー」の雄叫び後、勉強机の前に! 漫画のような展開に、SNSは「子どものやる気は突発的!」「見守る母も偉大」

宮前 晶子 宮前 晶子

「一日中、本当に一日中、 ゲームしている息子。 急に、ゲームを辞めた。 そして急に、夏休み前からお放置してあった学校のカバンをガサガサしはじめた。 筆箱と、多分、宿題の夏のワークを持ち、オリャーーーーーと雄叫びをあげながら走って自分の部屋に入って行った。 母さん、感動で泣きそうです」。

もう夏休みも終盤というある日。ゲーム三昧だった息子の突然の豹変に驚き、戸惑い、感動を隠せない、365日働く母さんのつぶやきに
「すごいすごい!スイッチ入った」
「やる時にはやる!メリハリの効いた息子さん」と共感の輪が広がりました。

また、「宿題は?」「勉強しなさい」と言ってしまう保護者からは、
「口うるさく言ってしまうので、二学期からは、見守るということをできたらなあ」
「平静を装える母さん素敵」
「私はつい声かけをしてしまい、本人のやる気をそぐ天才」
「私ならチクチク嫌味を言ってしまいそう、、 反省 『痛い思いをする機会』を奪ってはいけない」と反省の弁も。

息子さんの了解を得た上で、母さんにお話を聞きました。

「親も子も宿題のことで悩んでいるんだな」

今回のつぶやきに2.5万件のいいねがついたことについて、「ただただ、驚きました。長い夏休みでの過ごし方の理想は、親と子とでは全く意識が違います。親と子のお互いの理想の過ごし方の妥協点をみんな模索してるんだろうな、と思いました」とお母さんは話してくれました。

中には「私も自分のタイミングがあるタイプ。見守って欲しかった…」という子ども目線のコメント、「見守り続けたお母さんがすごい」という親目線のもの、「息子さんもお母さんもかっこいいし、かわいい」とコメントもあり、「宿題をどうやってやらせるか皆さん困っているんだな、と思いました。また、全く見ず知らずの方々がこんなにも応援してくださることをとても嬉しく思いました。でも、私自身、息子を見守りつつも、心の奥では葛藤も。皆さんがおっしゃってくださった通り、何も言わなかったことでこういう結果になったのだとしたら、何も言わずにいたことが良かったのかな、と思いました」。

突然の起立性調節障害発症。親子でもがきつつ、前を向いて

中学生の息子さんは起立性調節障害と身体表現性障害を発症し、現在通院治療中です。それはある日突然、前触れもなく、やってきました。

「もともとは元気な子。自転車を乗り回し、大勢の友達と遊び回っていました。体力に自信があったと思います。それが、急に足に力が入らないから歩けない、しんどいと言い出して。発病したばかりの頃は、わけがわからず、私もおろおろするばかりでした」。

いくつかの病院を受診し、さまざまな検査をした結果、起立性調節障害の中の体位性頻脈症候群、それとは別に身体表現性障害という二つの病気が判明。 息子さんには、起立性調節障害の症状として「倦怠感、立ちくらみ、動悸、頭痛、腹痛、車酔い」、身体表現性障害の症状として「足に力が入らず、自分の力で立てず歩けない」状態になっています。

担当医から、身体表現性障害は起立性調節障害と併発することが多くあり、どちらの症状も同じようなタイミングで治っていく、と説明を受けたそうです。

「1学期は学校に行けたり、早退したり、休んだり。オンラインで授業に参加する日もありましたが、友達とオンラインゲームすらできない日も。夏休み前は、本当に体調が悪くなっていたので、“この夏休みは体調を整えることに専念しよう。宿題はできなければ無理に手をつけなくて良い、その時は事情を先生に話すから心配しないように”と息子には話していました」と事情を話します。

医療で治療を受ければ治るというものではなく、心のケアがとても大切だということから、息子さんにプレッシャーを与えず、見守ることにした母さん。

「夏休みに入りストレスからの解放のお陰で体調が改善、朝早く起きて、バカ笑いしながら学校の友達とオンラインゲームができる日も増えていきました。ゲームが大好きな彼の日常が戻りつつあることがうれしかったです。でも、息子の病気の快方を第一に考えて、宿題のことを言わなかったまで。息子が病気になっていなければ口うるさく言っていたかもしれません…」と親としての複雑な思いを吐露します。

宿題や2学期について親子で話したこともありますが数回。「宿題がどうしても気になるなら答えは写せば良いよ、学校はその時考えれば良いよ」と返答していたそうです。

「あのツイートをした日は、いよいよ宿題は無理そうだなと思った日。ところが、急にあのツイートのような事が起こったのです!!!」と驚くべき息子のやる気を目撃した瞬間についてつぶやくと、
「子供のやる気は、なぜか突発的」
「何も考えてないように見えても 実は、色々考えたり悩んだりしながら 過ごしてたのでしょう」
「ずっと考えてたんだね。ゲームしながら」
「ヤル気スイッチは、やっぱり誰かに押してもらうより、自分の内側から、が強い」
などの言葉が並びましたが、
母さん自身も息子さんのスイッチが入った理由を「全くわかりません」。

「発病したばかりのころは、息子に私の価値観を押し付けるような話しかできませんでした」と母さん。病気に対する知識を得つつ、思春期の子との関わり方や不登校の子との関わり方、教育についての知識・理解も深め、「私自身の今までの価値観以外の考えに触れ、息子は息子の考えを持って息子の意思で生きていかなければならない、と思うようになりました」。

一緒に2人でゲームをしながら、病気や学校の話をさらっとする日常を過ごす中で、息子さんが「みんなと同じように生活ができない、何をしても楽しくない、学校へ行きたくない、みんなは毎日学校に行けてすごいな、ボクはどうしちゃったんだろう、勉強が全然出来ないしわからない、少し勉強しただけで頭痛や目眩がしてとても疲れる」と胸中を明かすように。

それは全て、起立性調節障害という病気のせいだから、と返し、「病気が治れば元気になって以前のように楽しく遊べる、勉強は元気になってからやれば良い、テスト勉強もしなくて良い、それで0点をとっても気にするな、単に勉強をしなかったからというだけ、やればできるようになる、今は毎日を楽しく過ごせるようにしよう」と話しているそうです。

思春期の入り口でちょっとツンツンしていたけど、発症した事でこちら側に戻ってきた感じと現在の親子関係を話す母さん。「すごく甘えて来るようになりました。学校に行けないし、友達とも自由に遊べないし、不安が大きかったんでしょうね。息子に“思春期側から少しこちらに戻ってきたね”というと、“好きでこうなってるわけじゃないわ”と思春期側の目線で言われました」。

自らの育児について、「私は口うるさく言わず本人のやりたいようにやれば良いと思って子育てしていました。でも、それは私の価値観の中で、という条件付きでした」と振り返ります。「私にとっては勇気が必要で、不安もあります。でも、その価値観の枠を取っ払い、本当の意味で、息子の自由に思う存分人生を楽しんで欲しい」と息子さんの幸せを願います。

リプライには親子へのエールも。
「息子さんの決意、すごく素晴らしいと思います。 ただ学校に行った結果、苦しい気持ちを溜め込んでしまわないよう、注意深くお子さんを見てあげてください。息子さん、青春してくれ!!」

■365日働く母さんTwitter (@365hataraku

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