「コロナ陽性者とか濃厚接触者に『薬局に入ってこないで』とか『電話で確認してから来て。来たら駐車場で待ってて。』とか言うのはばい菌扱いしてるんじゃなくて、薬局には高齢者とか抗がん剤とか免疫抑制剤飲んでる人がいっぱいいて、その人たちをリスクに曝したくないからっていうのわかって。マジで」
ある薬剤師の投稿がツイッターで話題を呼んでいます。投稿したのは、調剤薬局で働く薬剤師のゆうきヘクタール@週末弾丸トラベラーさん(@corvette_zr_1)です。投稿について、ゆうきヘクタールさんにお話を伺いました。
「この機会に考えていただければ」
ーーゆうきヘクタールさんはどのような薬局に?
「私が勤務しているのは総合病院の前にある調剤薬局です。私は1つの店舗の責任者でもあるので、患者さんだけでなく従業員も守らないと行けない立場でもあります」
ーーツイートの経緯を教えてください。
「今回のツイートのきっかけは私の勤務している店舗に濃厚接触者に該当すると思われる方が飛び込みで来たことですが、似たような話は他の同業者からもよく聞いておりますし、都道府県の実施している疫学調査に携わっている薬剤師からも同様の話をよく聞いています」
ーー抗がん剤治療をしている方、免疫抑制剤を飲んでいる方は免疫力が下がりやすい?
「抗がん剤や免疫抑制剤を飲んでいる方、全てが免疫力が低下するわけではありませんが、治療内容や体調によっては健康な方に比べてコロナに感染した際のリスクはもちろん高くなると考えられます」
ーーゆうきヘクタールさんが働く調剤薬局では、コロナ陽性、濃厚接触者の方に対し、どのように対応を?
「基本的にコロナ患者さんは薬局に来ることはないようになっていますが、抗原検査の対応やキットの販売などでは症状のある方や濃厚接触者に該当するような方は薬局の中ではなく駐車場の車の中で待っていただくなどしております。また、会社規定の感染予防に関する貼り紙は掲示しています」
ーーその対応に納得できない人も?
「今のところこちらの指示や説明にゴネるような方はいませんが、やはり知らずにというか何も考えずに、突然来局される方は一部おられます。ただ、私が働いている店舗では今のところそういった事例がないだけで、会社全体としてみたときにはクレームをおっしゃっている方もおられるようです」
ーー改めて薬剤師さんの立場から伝えたいことを教えてください。
「調剤薬局は地域医療の一角を担う場所だと思っていますので、来局される方の背景や疾患などでこちらの態度を変えるようなことはありません。
ただ、今回のツイートで例にした患者さんのように健常な人や軽症な方と比べて様々なリスクを持ってる方もおられます。医療者も患者さんも皆がお互いのことを尊重してできること範囲でできることをしていく必要があると思います。ご自身の不安な気持ちもよくわかりますが、その行動にどんなリスクがあるか想像して欲しいですね。また、薬局や病院に来ている人たちがどういった人なのかというのもこの機会に考えていただければと思います」
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高齢の方がコロナに罹患するリスクは広く知られていますが、若く健康そうに見えても持病や基礎疾患を持っていて、コロナに罹れば重症化するリスクがある方もいるはずです。陽性や濃厚接触者になってしまったときは不安な気持ちでいっぱいだと思いますが、冷静な行動を心掛けたいものです。ひいては、それがほかの人を守ること、感染拡大防止につながるのではないでしょうか。