職場でのリーダーや管理職のみなさんはどんな悩みを持っているのでしょうか。全国の企業や組織で働く中間管理職、リーダー格の男女312人に聞いたところ、職場で最も頭の痛いことは、約半数の人が「人間関係」「チームマネジメント」などの「他者との関係性に関わること」と回答したそうです。
株式会社みらい創世舎が設立したコーチングコミュニティ「日本GHCDコーチング協会」が2022年7月に「リーダー・管理職の実態調査 職場の悩みアンケート」と題して実施した調査で、40代(36%)、30代(30%)、50代(26%)、20代(6%)、60代(2%)の人から回答を得たといいます。
同調査によると、2022年春以降、「コロナ禍の影響や働き方への変化があった」と回答した人は59%。また、「影響や働き方への変化があった」と回答した人に「どのように変化しましたか」と聞いたところ、「リモートと出社併用」(49%)、「基本毎日出社」(34%)と続き、出社を伴う勤務形態が83%となった一方で、フルリモートは5%に留まりました。なお、コロナ禍の影響や働き方の変化については、以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽普通に取れていたコミュニケーションをあえて時間を作らねばならない所にストレスを感じる
▽会議でも顔を出さない社員の反応がわからない。様子も見えないので忙しいのか、元気なのか等が読みづらい
▽コロナ罹患者の対応や清掃が増え、神経を使う
▽陽性者の長期休暇者の補填
▽時間差出勤のシフト要請をするも対応してもらえず、サービス残業が増えた
▽リモート社員の業務実態が見えにくく、生産性が把握しづらい
▽消毒作業が増え、MTGが取りにくく、情報共有等がしづらい。スタッフの不公平感や疲れが増している
続いて、「職場で最も頭の痛いことやご自身の課題、悩み事は何ですか」と聞いたところ、「人間関係(上司、同僚、部下、取引先、顧客対応、そのほか)」(28%)が最多。これに「チームマネジメント、状態」(19%)を合わせた”他者との関係性に関わること”は47%と約5割を占める結果に。以下、「自分自身のマネジメント、メンタルも含めた健康状態」(15%)、「チームの業績、成果」(12%)といった回答が上位に並び、以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽みんな忙しく、自分の利益や自分の仕事を減らし、人に振り分けるために努力をしているように感じる
▽チーム内の分断。ある一人に対し「どうせあの人は変わらない」という諦め感がある。誰かが解決してくれると思っている
▽考え方が合わないとき、相手の方が年上で経験もあるため、自分の意見を伝えるのが難しい
▽部長のマイクロマネジメントを飛び越え、副部長の越権
▽メールの文言がキツめに感じて、先回りして色々考え込むが、実はそこまで意図していない発言だったりして無駄なストレスが多い
▽私の部下を欲しがり、裏で私と部下に亀裂が入るような事実ではない事を吹き込まれ、部下が転職を考え始めてしまった
▽中間管理職だが、一般社員であることを理由に他の社員から偉そうにするなと理不尽な怒りをぶつけられる
さらに、「チームマネジメント」を選択した人に、さらに「どんなことが悩ましかったり頭が痛いですか」と聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられました。
▽メンタルで休職する職員が複数いる
▽協力体制ができていない。相手のことや周りのことを考えて行動できない後輩たちをどう指導していくか
▽事業成長の難易度が上がり、ついていけなくなりそうなメンバーのケア(成長させるか、別の選択肢を示すか、別の人を採用するか)
▽管理職であるが、自分の存在意義がわからなくなっている
▽上司からの課題が多く、それをこなすことで精一杯、やらされ感がはんぱない
▽個々のパフォーマンスにばらつきがあり、残業の量で不公平感に繋がっている
▽チーム体制の変更、商品の変更が立て続けに起こり、全員の業務が消化不良になっている
最後に、「今の状態がどうなればあなたにとって理想的ですか」と聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽互いに相手の考えを尊重し、理解したうえで新たな取り組みに協同できると良い
▽お互いが冷静に話して理解し合おうとする
▽どんな些細なことでも相談できる状況、気軽に報連相ができる状態
▽お互いを理解して、理想のゴールについて議論できる
▽率直に話して風通しのよい職場