バスで「邪魔!畳め!」と蹴られたベビーカー 「父親がいる時にしてくる方は少ない」「非常識」と批判の声 国交省「畳まなくてOK 互いに譲り合って利用を」

太田 真弓 太田 真弓

「さっき5人しか乗っていないガラガラのバスでベビーカーを専用座席にベルトで固定して乗っていたら、男性に『邪魔なんだよ!畳めやこのブタ!』と怒鳴られベビーカーを蹴られたのだが、残念!!国土交通省によりベビーカーは畳まなくてもよいとルール化されているので明日も強い気持ちでバスに乗るぞ!」

こうツイートしたのは作家の小野美由紀さん(@MIYUKI_ONO)。こちらが大きな反響を呼び、8.7万件のいいねがつき、1.5万件リツイートされています。その後、小野さんは以下のようにもツイートしています。

「乗客5人の内訳が蹴った男性+私と子+じいちゃんばあちゃん3人という日本社会の縮図みたいなバスだったんで誰も介入できなかったです しゃあないので公的権力に頼りに行ってきます」

「警察に行きました。『ベビーカーが壊れたわけではない→器物損壊には当たらない』(えー)『身体を傷つけられたわけではない→暴行ではない』ので警察は動かないそうですが、もし同じ目に合った時にはその場で110番してくださいとの事。皆さんもご参考になさってください…」

「今日も保育園のお迎えで同じバス乗るの嫌だなー、怖いなー」

荷物ありきで子どもを守りながら移動せねばならぬ中、小野さんに起きた出来事はベビーカー使用者にとっては他人事ではありません。空いている車内で、所定の場所に固定していたにも関わらず起こったトラブル。今回のような明らかな恫喝や暴力は決して許されるものではないのです。

「読むだけで腹たちます」
「そういう事する人って、相手を選んでやりますよね… 父親等、男性がいる時にしてくる方は少ないですし、男性がいても勝てそうな相手なら来ます。ベビーカーを蹴られてしまったお子さんに怪我が無かった事を祈ります」
「なんて非常識な輩なんでしょう!」
「物を蹴ったり暴言は完全に犯罪ですから、通報をお薦めします」
「悲しくなります。たぶん状況は分かりませんが強面の男の人が隣にいたらそういうのしてこないのでしょうね。だいたいそういう悲しい話は女性だけの時にされる事が多いみたい」
「戦いたいけどベビーの安全が第一なので咄嗟だと難しいですよね。そんな時にいち早く動ける第三者でありたい」
「バスの運転士ですけどそんな時は蹴ったお客さんに一言言ってますよ」
「車椅子の人も同じような経験あるのかな?」
「意味が分からないですね 畳まないで強い気持ちで大丈夫です」
といったコメントなど、1500件近くの様々な見解が寄せられています。

国土交通省「バス内でのベビーカーはたたまなくてOK」

国土交通省では、すべての子ども連れの方々にとって移動しやすい環境を実現すべく「子育てにやさしい移動に関する協議会」を設置。現在、ポスターや事業者向け用チラシ、「ベビーカーマーク」を作成し、応援企業の協力を受けながら広く周知・浸透させる取り組みを行っています。 

ポスターを見ると、ベビーカーを使用する人には「周囲の方との接触や運行の妨げなど、ベビーカーの操作には気をつけましょう」と案内。周囲の方には「電車やバスでは、ベビーカーは折りたたまずに乗車することができます。※バスについては、走行環境によって、折りたたみ、着席でのご乗車をお願いすることがあります」と啓発。チラシには、各種施設向け、鉄道事業者向け、バス事業者向けと作成されており、ベビーカーの安全な使用やベビーカー利用への理解・配慮を求める内容が記載されています。

また、ベビーカー使用者が安心して利用できる場所や設備(エレベーター、鉄道やバスの車両スペース等)に掲示するためのベビーカーマークもあります。また、使用を禁止する場所や設備(エスカレーター等)がわかりやすいように「ベビーカー使用禁止マーク」も。これらのマークの存在を覚えることで、利用できる場所とそうでない場所を見分けることができるでしょう。

二人乗りベビーカーについても一定条件のもとで、折りたたまず使用できるよう取り扱うことを基本としています。(既に車椅子使用者や複数のベビーカー使用者が乗車している場合など、固定場所がない場合は次のバスを利用してもらうことが必要)

その他、各自治体が運行しているバスやバス会社でも、「ベビーカーを折りたたまずに乗れます」という案内やWEBページを各々で作成されています。ご自身が利用するバスで、ベビーカーに関する案内がどう記載されているのか、事前に確認してみてもよいかもしれません。

このようなルールやマークが啓発されていながらも、まだまだ世間には周知されていないと考えられる今回の一件。と同時に、SNS上での「ベビーカー論争」に必ず挙がってくる「#ベビーカー様」と揶揄されるようなマナーのない使用者によるトラブルが起きているのも事実です。

公共交通機関に乗り合わせる者同士、思いやりを持って互いに臨機応変に対応しながら気持ちよく利用したいものです。

参照・出典:国土交通省ウェブサイト
「子育てに優しい移動に関する協議会」https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000149.html
「ベビーカーマークについてのお知らせ」
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000091.html
「乗合バスにおける二人乗りベビーカーの利用についてとりまとめ」
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo09_hh_000235.html

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