2022.07.26(Tue)

【漫画】先生の言葉があったからこそ、今の自分がいる…忘れられない恩師を描いた漫画に「泣いた」「一生に一度の出会い」感動の声続出

「忘れられない先生の話」と、Twitterに投稿したのは、るしこさん（@39baby_com）。SNSで育児漫画やコミックエッセイを公開し、大人気の作家です。先日、自身が通っていた専門学校の先生にまつわるエピソードを紹介し、「いい話」とたくさんの人に称賛を受けました。

漫画は、るしこさんが１０代の頃の話。漫画の専門学校に通っていたるしこさんでしたが、学校で教えられる漫画制作の方針が合わなかったり、別に働きたい仕事を見つけたりといった理由で、中退を決意します。

そんなある日、担任の先生から呼び出しを受けました。

中退を止められるのではと思ったるしこさん、先生をどのように説得しようかと考えていたといいます。しかし先生は、「一応来年までは休学扱いにしとくから」というのみで、意外にもるしこさんを引き止めませんでした。

それは、るしこさんの性格や漫画との向き合い方を踏まえながらの、先生なりの考えでした。

プロになって連載することが漫画に取り組むすべてではない――。

先生は、そんな自身の思いを語ったうえで、「学校を辞めても好きな漫画を描いたり、自分のために絵を描くことを続けていって欲しい」と、るしこさんに願います。

そんな先生の温かい言葉のおかげで、るしこさんは今まで漫画を大好きでい続けることができたといいます。

心温まるエピソードに、ツイートのリプ欄には感動の声が続出しました。

「えぇはなしやぁああ(´；ω；｀)」
「ほろっと涙が出ました…」
「めっちゃいい先生、、、」
「亡くなった恩師を思い出して泣きました」
「確固たる決断を、ただ“推す”でもなく“否定する”でもなく、るしこさんの“人となり”を見極めて認めてくれる。素敵な出会いをされたんですね」
「『恩師』ですね。そっと背中を押してあげられる、そんな大人でありたい」
「大げさじゃない一生に一度の出会い。ほっこり嬉しくなります」

るしこさんに聞きました。

――学校を辞めるという決意は固かったとのことですが、もったいないとか迷いのようなものはなかったですか？

るしこさん：普段は心配性で「石橋を叩いて叩いて、結局渡らない」ことも多いのですが、変なところで「こうと決めたらすぐ行動！」となるんです。この時はちょうどそのパターンで、迷いはありませんでした。唯一、友人から「卒業式典で高いお寿司出たよ」と言われた時だけ、ちょっと惜しいことしたなと思いました（笑）。

――現在、自身のペースで、漫画を制作されているるしこさんですが、仮にあのまま学校に居続けていたらどうなっていたでしょう？

るしこさん：合わないなと自覚しながら課題に取り組むことは、私には耐えがたいことでした。なので、卒業しても絵を仕事にしたり、描くこと自体もやめてしまっていたかも…。また、夫とはオンラインゲームで知り合ったのですが、彼が私に声をかけてくれたきっかけのひとつがイラストでした。なので、夫とも出会っていないかもしれないし、全く別の人生だったのではないかな…。

――そう考えると、先生の言葉が今のるしこさんの人生を決めたといっても過言ではないですね！もしも、先生から違うことを言われていたとしたらどうなっていたでしょう？

るしこさん：ガンコだったので、何を言われても中退はしていたと思います。ただ、とても信頼している先生ではあったので、もし真剣に止められていたら、「やっぱりあの時辞めなければ…」とことあるごとに思ってしまったかもしれません。現に、中退後も本当にいろんな壁にぶつかったのですが、後悔なく一つ一つ乗り越えることができているのは、担任の言葉のおかげでもあります。

――それだけるしこさんにとって、影響力の大きな人だったのですね。

るしこさん：１０代の頃の教師の存在は良くも悪くもとても大きくて、そんな人にそっと寄り添い背中を押してもらったことは、人生の転機ともいえる出来事でした。もともと両親が「信じる道をいけ」というような人たちだったので、それまでにも私は恵まれた環境で好きなものを描いてこられました。そのうえで、先生にも“わたしの好きなマンガ”を後押ししてもらったことは、絵を描くうえでずっと自信になっています。

――学校を辞めてから、先生との関わりは？

るしこさん：後にその先生は校長になるのですが、それ以降も何か報告があると学校を訪れていました。その度に快く迎えていただき、重い相談からとりとめのない話題まで、いろいろと話を聞いてくださいました。

　 ◇　 ◇

恩師というべき先生の後押しで、“わたしの好きな漫画”をいまも描き続けているるしこさん。

７月２８日には、単行本『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてまするしこの子育て日記』が、KADOKAWAより発売されます。