みなさんは、自身の「幸せな人生」についてどんな風に考えているのでしょうか。全国の20~80代の男女8671人に聞いたところ、すべての世代において「自分らしく過ごせる人生」が1位となりました。その一方で、20代のみ「お金に不自由しない人生」がトップ3に入らないなど、20代の回答はほかの世代に比べて特徴的な結果となったといいます。
株式会社お金のデザインが「『お金』と『人生』に関する調査」として、同社の運営する資産運用サービス「THEO」を利用中の男女を対象に2022年5月に実施した調査です。
「幸せな人生」についての考えを質問したところ、すべての世代において「自分らしく過ごせる人生」が1位となりました。次いで、30代・40代では「お金に不自由しない人生」「自分の大切な人と過ごせる人生」が、50代以上では「お金に不自由しない人生」「自分の興味・関心に取り組める人生」がトップ3を占め、30代以上は幸せな人生を構成する要素として「お金」を重要視している人が多い結果となりました。しかし、20代では「自分の興味・関心に取り組める人生」「自分の大切な人と過ごせる人生」でトップ3を占め、「お金に不自由しない人生」が上位に入らない結果となったそうです。
また、「人生におけるお金の意味合い」については、30代から60代は「生活をしていくために必要なもの」が1位を占める中、20代と70代以上では1位に「大切な人や物、自分を守るために必要なもの」がランクインし、価値観の違いがあらわれたといいます。
調査結果から同社は、「20代はお金が幸せを構成する要素として最重要ではなく、『自分がやってみたいことに挑戦できる』『自分が好きなことができる』という要素に重きを置いていることがうかがえます」と説明しています。
ウクライナ情勢をきっかけに価値観は変わったか
次に、「ウクライナ情勢をきっかけとして、幸せの価値観は変わりましたか」と聞いたところ、「とても変わった」(10.9%)、「やや変わった」(37.9%)を合わせると48.8%の人が「変わった」と回答。
世代ごとに回答を比較すると、20代は「変化があった」という回答が42.8%であったのに対し、70代以上は60.8%と20ポイント近い差がつき、30代~60代にかけても段階的に割合が増えていたそうです。
また、「幸せの価値観」については、ウクライナ情勢前では「お金に心配のない生活がおくれる」(24.1%)、「プライベートが充実している」(23.9%)、「変わらない日常を過ごせる」(19.2%)という結果だったのに対し、ウクライナ情勢後では「変わらない日常を過ごせる」(78.9%)が1位になり、大きく順位を上げる結果となったといいます。
これからの日本人の給料水準は
続いて、「将来、日本の給料(報酬)水準はどう変化すると思いますか」と聞いたところ、「下がる」が41.9%、「上がる」が16.9%となり、「下がる」が大きく上回る結果に。
これを年代別で見ると、「日本の給料水準は下がる」と回答した割合は、20代の54.1%から年代が上がるにつれて段階的に下がっていき、世代が若いほど日本の給与水準が下降していくと考えていることがわかったそうです。
また、「日本の給料水準は下がる」と回答した人に、理由を聞いたところ、「経済成長率の影響」(67.9%)が最も多くあげられ、次いで「人口動態の変化による影響」(60.2%)、「金融政策の影響」(37.4%)と続き、年代別で見てもおおむね同様の傾向が見られたといいます。
調査結果から同社は、「少子高齢化など日本が抱える社会問題や、それに伴う日本の労働生産性低下により、経済成長が難しくなるだろうという見通しがありそうです。特に若い世代ほど日本の給与水準が下がっていくと予想していることは、バブル期の経済の高成長を知っているシニア世代に比べ、経済成長に対する希望的観測を持てない結果とも推察されます」と説明する一方で、「多くの世代で共通して『お金は人生をより良くしていくために必要である一方、いまのままでは日本は貧しくなっていく』という考えの傾向がみられました」とも述べています。