バスケットボールの革でつくった小物が累計1万個を突破 売り上げ急拡大の理由を聞いた

山本 智行 山本 智行

Bリーグは宇都宮ブレックスが5季ぶり2度目の頂点に立ったが、そのバスケットボールの革でできた革小物が爆発的なヒットを続けているのをご存じだろうか。手触りはもちろんのこと、実際の匂いも届くとSNSでも大好評。大阪の老舗メーカー「ナダヤ」が手がける「レザージーバスケシリーズ」がそれで、2019年秋からECでの販売をスタートし、累計1万個を突破。さらに売り上げは急拡大しているという。人気の秘密を担当者に取材した。

大阪の企業でありながらレバンガ北海道や琉球ゴールデンキングスのスポンサーになるなど「バスケ愛」は半端ない。6月18日には長年バスケットボール界をけん引し、レバンガ北海道の代表取締役社長でもある折茂武彦さんの引退試合にも記念の名刺入れを製作するなどひと役買っている

--そもそも、バスケットボールの革財布をつくるきっかけは?

「もともとの始まりは、メーカーのわたしたちに対して革屋さんからの提案がある中にバスケットボールの革もあったんです。そのとき、元バスケ部の社員がいて「懐かしかったりする?」と聞いたら「あー、この感じ!」って笑顔を浮かべたのを見て、やってみようか、となりました。実際リリースしてからも、お客様からの反応も良くて2019年からこのシリーズを本格的に進めていきました」

--バスケットボールへの意識も変わっていったのでは?

「そうですね。運営している自分たちがバスケットボールの事を知らないなと痛感したので、Twitterのアカウントを開設してユーザーさんからいろいろ教えていただいたり、3×3のチームの方や、Bリーグのチームの方と話をさせていただくようになりました」

--今シーズンは宇都宮が優勝。沖縄は惜しくもタイトルを逃しましたが、Bリーグは何試合ぐらい見ましたか?

「ネット配信では、それこそずっといろんなチームの試合を見ていますが、現地となるとどうでしょう。数えてないですけど、30試合ぐらいですかね。この2年間は家族も巻き込んで、できる限り週末は試合会場に行ってました。空気感を感じたと思っているのと、実際行くと様々なドラマに遭遇するんですよ。仕事なのかオフなのか分からないような生活で奥さんにはあきれられてますが、息子はすごくハマってくれていて私より詳しくなってます。仕事からバスケットボールを知ったわけですけど、ホントに好きな競技になりました」

--大阪の会社なのに北海道や琉球のチームのスポンサーになっているのは?

「会う方にすごく言われます。誤解を生むのは嫌なので先に言いますが、大阪好きです。2020年にどこかチームと関わってグッズの展開が進められたらと動いていて数チームと話をしていたんですが、レバンガ北海道の営業さんが熱心だったので会社と相談して決めました。社内でも、知り合いにも何で北海道なのと聞かれて同じ話を何回もしましたね」

--特に地域にはこだわっていない?

「はい。私たちはECでの販売が主でお客様は全国なので、場所には全然こだわってません。熱がある人やチームがあって、おもしろい企画ができそうならどこにでもいきます。Bリーグのみならず地域のチームやバスケが好きで関わられている方々とコラボや企画ができればと考えています」

--北海道の次は沖縄だった。

「ネタみたいですが、これも偶然です。琉球ゴールデンキングスさんからはそれこそ、北海道の出張中に連絡いただいたんです。沖縄にアリーナができるので、そこのグッズを作って欲しいと相談いただき、関係がスタートしました。そこからファンクラブの入会特典を作らせていただいたことで応援したいと思い、21-22シーズンパートナーにならせていただきました」

--これまでを振り返りつつ、今後の展開を教えてください。

「コロナ禍という難しい2年間でしたが、実際にお問い合わせの声を聞いたり、テレビや雑誌などメディアからのご依頼をいただくと、少しずつ私たちの思いが伝わり、それが製品の売り上げにもつながっているんだと感じます。単にモノをつくって売るだけではいけないと思っています」

--物語が大切と言うことですか?

「グッズの販売などで現地に行くと、実際に使ってくれている方がわざわざ見せてくれたり、SNSでも喜びの声を伝えてくれています。あまり上手く言えないですが、とにかく温かいユーザーの方が多い、です。今後もモノを販売するというよりは全国に仲間になってもらえる方が増えていけば嬉しいですし、そのためにおもしろい企画や製品をつくっていきたいと思っています」

--バスケットボールへの熱い思いが伝わってきます。

「そうなんです。バスケットボールには本当に多くの縁やパワーをいただいているのでメーカーである私たちなりの恩返しができるような企画を数多くしたいと思ってます。チームやクラブを卒業される方に向けて背番号チャームをプレゼントするような企画をしたりもしています。まだまだこれからですし、もっともっとやれることはあると思っています。これからも『おもしろいな』と思っていただけるように頑張りますんで、またぜひ取材しにきてください。

そうそう、6月10日は「一粒万倍日」と「天赦日」が重なり、最高の開運日とされています。財布を新調される方も多いですし、こちらとしても気合入っています」

シリーズで1番人気のある長財布の男女比は半々とのこと。いまからだと「開運財布」を父の日のプレゼントにするのもいいかもしれない。

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