『遥かなるマナーバトル』という漫画がTwitter上で話題となっています。
漫画はいきなり名刺交換の場面からはじまります。ふいに年配の女性が女子高生にマナー違反を指摘。
すると突如、女子高生の身体に電撃が…！実はこれ、互いのマナー違反を指摘し合い、最強のマナー講師を決める「マナーバトル」の最中なのでした。
このような冒頭からはじまる本作。マナーとバトルと組み合わせるという意外性もあり、ツイートは約１０万ものいいねを獲得しています。
この漫画を描いたのはたむらゲンさん（@jack_yakitori）。なぜ、このような作品を公開しようと思われたのでしょうか。
その理由は、ある方が先日発信され話題になった、「マナー講師蠱毒（こどく）」のツイートに触発されたことだといいます。
マナーとは、私たちが社会生活を円滑に行ううえで身につけておくべき決まりごとのことです。さまざまな場面で数多くのマナーがあり、その作法について教える「マナー講師」という職業もあるほど。
社会生活を営むうえでなくてはならないマナーですが、一方では解釈の違いからその作法が多様化したり、過剰にしきたりを押し付ける風潮を疑問視する声もあります。
「マナー講師蟲毒」のツイートは、そんなマナー講師たちを集めて戦わせることで無駄なマナーが広まるのを防ごうという内容。何とも過激ながら、ユニークさも感じられます。
たむらさんはこのツイートを受けて、自身の漫画を公開しました。しかし、ツイートの内容にしたがって漫画を作成したわけではありません。実はツイートが話題になる以前から本作の構想はあり、「たまたま描いてた漫画と合致した内容のツイートが話題になっていたので制作途中の漫画をアップした」とのことです。
アツい展開！続きを読みたいという声が続出
このような経緯で、未完成ながらも漫画を公開されたたむらさん。
「マナーで戦う」とは一見するとシュール。しかし、読んでみるとストーリーや設定はしっかり作りこまれており、引き込まれてしまいます。
主人公の少女が、父親を自殺に追い込んだ者たちへの復讐心を「こんな世界を変えたい」という決意に代え、戦いに身を投じてゆくという、まさに王道のバトル漫画の展開。
さらに、冒頭で主人公を襲った電流も、最初は荒唐無稽に感じられますが、のちに取り付けられた首輪から流されたものだったことが判明し、納得できます。
一瞬不自然さを覚えても、違和感なく読み進められるストーリー、さらにアツいバトルが繰り広げられる展開に、多くの人から称賛の声が上がりました。
「マナーという概念だけでここまでの漫画作れるってすごすぎる」
「話題性盛った上で普通に内容も違和感なく読めるストーリー描けるとか凄ぇ…」
「ギャグ漫画と見せかけて普通にカッコいいしエピソードも惹き込まれる」
「面白い漫画を見せておいて続きを描かないのはマナー違反ですよ！（訳：続き楽しみにしています！）」
筆者も読ませていただきましたが、ところどころ下書き状態の部分もあるものの、それがまったく気にならないくらい話に引き込まれ、早く続きが読みたくなってしまいました。個人的にもオススメしたい作品です！
マナーという意外なテーマで皆をアツくしてくれた、たむらゲンさんに聞きました。
――マナーとバトルを組み合わせるとは斬新な発想ですね！この漫画を描こうと思ったきっかけは？
たむらゲンさん：就活時にマナーに気を遣う機会があったり、ネット上でマナー講師についての話題があったりしたので、戦わせたら面白そうだと思って書き始めました。最強トーナメント的な作品が好きです。
――漫画では名刺の名前の上に指を乗せないなど、細かなマナーがたくさん出てきますね。このようなマナーはどこでお知りになったのですか？
たむらゲンさん：ネットや書籍などで調べました。僕が考えたマナーもあります。いろいろと調べてみると面白いかもしれませんね。
――作中では、「心のこもったマナーは綺麗」という表現もありながら、「形だけのマナー」に対する批判的な描写もあります。たむらさんはこれらマナーについてどのようにお考えですか？
たむらゲンさん：これから先の展開で、しっかりとマナーとは何か、どう向き合うべきかを描いていこうと思っているので、次回以降を楽しみにしていてください。
◇ ◇
たむらさんはツイッターで日記漫画など、さまざまな漫画を公開されています。本作の続きについても、「Twitterで公開していくと思います」とのことでした。
「とにかく僕のアカウントをフォローしてください！面白い漫画がいっぱい読めます！フォローしないのはマナー違反ですよ！」（たむらゲンさん）
■たむらゲンさんのTwitterはこちら→https://twitter.com/jack_yakitori
