多様な働き方が浸透しつつある現在、「残業」の実態はどうなっているのでしょうか。20~50代のデスクワーク比率が高いビジネスマン男女800人を対象に「残業に関するアンケート調査」を実施したところ、「残業時のパフォーマンスがとても低い」と回答した年代・性別は、40代男性がもっとも多い結果となりました。また、残業時の働き方については、40代男性の3人に1人が「ダラダラ働いている」と回答したそうです。
株式会社アスマークが2022年4月に実施した調査です。
はじめに、「月の平均残業時間」を聞いたところ、「10時間未満」(27.9%)、「10時間以上30時間未満」(26.9%)、「残業はない」(26.6%)、「30時間以上45時間未満」(10.7%)という結果になりました。
次に、「残業をする理由」については、「業務が終わらない」(61.8%)が最も多く、次いで「プラスでやっておきたい業務がある」(18.9%)、「残業代が欲しい」(8.8%)といった回答が続きました。
これを性・年代別で見ると、30代女性、50代女性の約7割が「業務が終わらない」と回答していた一方で、20代男性では「プラスでやっておきたい業務がある」(26.0%)、「残業代が欲しい」(20.0%)といった内容が高い傾向にあるといいます。
また、役職別で見ると、部長クラス以上では「プラスでやっておきたい業務がある」が他と比べ高く、課長クラスでは「業務が終わらない」が高い傾向が伺えたそうです。
続いて、「定時内と比べて残業時のパフォーマンス」について聞いたところ、「定時内と同じ程度」(52.5%)、「どちらかというと高い」(18.6%)、「どちらかというと低い」(17.0%)、「とても低い」(7.5%)、「とても高い」(4.4%)という結果になりました。
これを性・年代別に見ると、他の世代と比べて20代は男性が残業時のパフォーマンスが高く(29.0%)、女性はパフォーマンスが低い(24.0%)と自認している傾向が伺えたそうです。また、「残業時のパフォーマンスがとても低い」では40代男性が15%と最も多い結果となりました。また、残業時間別で見ると、「定時内と同じパフォーマンス」は月の残業時間が45時間未満では54.2%だった一方で、45時間以上では37.2%と低くなっていたそうです。
さらに「残業時の働き方」について聞いたところ、「バリバリ働いている」(59.8%)、「ダラダラ働いている」(23.0%)、「あまり仕事をしていない」(4.1%)という結果になりました。
性・年代別で見ると、「ダラダラ働いている」の割合が最も高いのは40代男性の34.0%でした。また、残業の理由別で見ると、「周囲や上司からのイメージを良くするため」残業している層は、「ダラダラ働いている」(50.0%)、「あまり仕事をしていない」(33.3%)の割合が他の層と比べ高かったそうです。
「残業に対する意識」については、「どちらかというと残業はしたくない」(55.8%)、「絶対に残業はしたくない」(13.8%)、「どちらでもない」(22.1%)、「どちらかというと残業をしたい」(6.0%)、「積極的に残業をしたい」(2.4%)となりました。
これを役職別に見ると、課長クラス以上は、係長・主任クラスや一般社員クラスに比べ「残業はしたくない」傾向が高かったそうです。また、残業時のパフォーマンスが低いと自認している層は、「残業はしたくない」と考えている傾向が高いことが伺えたといいます。
最後に、「職場で浸透している残業のイメージ」を聞いたところ、「残業の有無は評価とは関係ない(残業はイメージと関係ない)」(56.9%)、「残業をする人が評価される(残業のイメージが良い)」(15.6%)、「残業をしない人が評価される(残業のイメージが悪い)」(11.8%)という結果になりました。
これを月の平均残業時間別で見ると、月に45時間以上残業をしている層は、自身の職場を「残業をする人が評価される」と認識している傾向が高く、また、残業時のパフォーマンスがとても高い層と、とても低い層の両極で、自身の職場が「残業をする人が評価される」と認識している傾向が高いことが伺えたそうです。