ロシアによるウクライナ侵攻で人道危機が続きます。そんな中、東京・山手線のJR恵比寿駅に設置されているロシア語の案内表示が非表示になりました。SNSでは前後の写真を並べ「『お客さまのお声』でも入ったのでしょうか… ロシアを擁護するつもりはありませんが そういうことじゃないだろう!!」とつづったツイートが共感を呼びました。JR東日本に経緯を聞きました。
話題になったツイートは、JR恵比寿駅の西口改札内から乗り入れている東京メトロ日比谷線の案内表示の画像を比べたもの。投稿者によると、2021年11月2日撮影には、日本語、英語、韓国語、ロシア語の4か国語で「中目黒」「六本木」と記されています。ところが2022年4月13日時点では、ロシア語の案内はなく、「調整中」と書かれた紙が貼られています。写真の投稿後、「ロシア語を使うウクライナ人だっているのに…」「かつての「敵性語」の悪夢再び」などと疑問の声が上がりました。
JR東日本東京支社によると非表示にしたのは4月7日の始発からといいます。広報担当者に聞きました。
ーなぜロシア語だけ
「理由は大きく二つあります。外国語表示は海外の乗客向けに設置されましたが、東京五輪・パラリンピックが終了し、コロナ禍で外国人観光客が減少したり、六本木周辺にある駐日ロシア大使館に向かう客からの問い合わせが減りました。もうひとつは、昨今のウクライナ情勢で、お客さまから「不快だ」といった旨の問い合わせが複数ありました」
ー問い合わせの内容は
「詳細は知りませんが、ネガティブなものと聞いています。『不快に思う』といった内容です。件数は複数ですが統計は取っていません」
ーあまりに過剰反応ではないでしょうか。JR東日本は企業として今後ロシア語を使わないということですか
「恵比寿駅の業務については、当社からJR東日本ステーションサービスに委託しています。もともと今回の案内表示は駅独自で始めたもので、ロシア語案内をなくすことについても駅の判断によるものです。JR東日本としてのコメントはありません」
ー貼り紙の「調整中」の意味は。誰が何を調整していますか
「お客さまからの問い合わせ内容を共有し、恵比寿駅、JR東日本ステーションサービス、JR東日本東京支社が今後について検討しているという意味です」
ー結論はいつ出ますか
「わかりません」
発信源となったツイートはその後削除されましたが、一部メディアの報道もあり、SNSでは「プーチン政権の侵攻に反対することとロシア語(やロシア語を話す人)を排除することは全く違います」「こういうことやっているとロシア人差別につながりそう。ロシア語に罪はない」「何でこんな言葉狩りみたいなことするんだろう」「この流れは非常に良くない」などの声が上がっています。