「出世が遅れる」「会社の理解が進まないと難しい」 育児休暇、9割が「取得経験なし」

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近年、男性の育児休暇の取得率は増加傾向にありますが、厚生労働省の調査によれば、女性の取得率と比較すると未だ低い水準にあるそうです。そこで、「育児休暇」の調査を実施したところ、約9割の人が「これまで育児休暇を取得した経験がない」と回答しました。

Job総研を運営する「株式会社ライボ」が、2022年3月に20人~1000人以上規模の会社に1年以内~10年以上勤務している、20~69歳の子持ちの男女584人を対象として実施した調査です。

はじめに、「育児休暇を取得したことはありますか」と聞いたところ、87.2%の人が「取得経験なし」と回答しました。男女別で見ても「取得経験なし」(男性:88.7%・女性:84.4%)が8割を超える回答結果になりました。

また、勤務先での育休取得のしやすさについては、「取得しやすい」(19.5%)、「どちらかといえば取得しやすい」(35.3%)を合算した54.8%が「取得しやすい」と回答。取得しにくい派は「取得しにくい」(15.4%)、「どちらかといえば取得しにくい」(11.8%)をあわせて27.2%という結果になったそうです。

続いて、「今後対象者になった場合、育休を取得したいと考えていますか」と聞いたところ、「積極的に取りたい」(42.6%)、「どちらかといえば取りたい」(39.4%)を合算した82.0%が育休を取得したい派の回答をしました。また、これを男女別で見ると、男女とも(男性:80.2%・女性:85.4%)に8割以上が取得したい派の回答だったそうです。

4月より順次施行される「改正 育児・介護休業法」についての期待感を聞いたところ、60.1%が「期待している」と回答しました。また、期待することについては「育休を取得しやすくなること」(男性:68.7%・女性:53.3%)が男女ともに最多回答となったそうです。

なお、回答者による、育休の取得についての具体的なコメントは以下の通りとなりました。

▽男性も育休を取得しやすい環境整備は大事だが実際休めば出世は遅れるのが現実
▽法整備が進んだとしても、環境が変わらなければ意味がないと思っております
▽日本では文化的に難しい。企業での育休取得の環境がまだまだ整っていない
▽日本はこういったところが遅れをとっているが正解なんてないと思っている
▽必要な人が当たり前に取得できるような時が来ればいいなと思います
▽法改正だけではなくリモートワーク含めた会社の理解が進まないと現実は難しい

コメントでは、法改正に期待はしているものの、企業側の体制や環境が整わなければ、絵に描いた餅になるといった懸念や、育休を取得することでのリスクに対する意見も多く見られといいます。

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調査を行った同社は、「働き方の自由度が高まる傾向にある日本でも、男女共に必要な時に必要な休暇取得ができる文化情勢が必要になりそうです」と述べています。

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