神戸どうぶつ王国で、3月4日から砂漠の妖精「グンディ」の公開が始まった。グンディと聞いて、パッと思い浮かべることのできる人はほとんどいないだろう。それもそのはず。グンディは欧州の一部と、日本では神戸どうぶつ王国を入れてなんと2園だけで飼育されているという、大変レアな動物なのだ。さっそく正体を確かめるため、神戸どうぶつ王国の飼育スタッフ、長嶋さんに話を伺った。
砂漠の妖精、グンディとは
グンディは、もともとアフリカ北部の砂漠地帯に生息。体長約20センチメートル、重さ約300グラムで、見た目はモルモットに似ているが、ヤマアラシの仲間に近い。特徴なのは、丸くて平らな耳だ。周囲の音をよく拾い、岩陰に身をひそめるときも引っかかりにくく機能的。その小さく、かわいらしい姿から「砂漠の妖精」といわれる。
―――グンディは、どのような性格ですか?
おとなしいです。神戸どうぶつ王国に来た直後は、展示場に入ったスタッフから逃げ回ったり、岩陰に隠れたりしていました。その時は臆病な動物だと思いましたが、環境に慣れるにつれ、落ち着いた様子で過ごしてくれるようになりました。
―――グンディの行動で、かわいいと思う仕草は?
コミュニケーションをとる姿です!お互いの鼻をくっつける行動などは、まるでキスをしているように見えて微笑ましいです。
―――普段は何を食べていますか?
神戸どうぶつ王国では青草やクローバー、またニンジンやズッキーニ、種子類、ペレットという固形飼料を与えています。おいしそうに食べる姿は、とても愛らしいですよ。
―――グンディは一日に何回、食事をするのですか?
グンディは夜行性ではなく、昼間に活動するので、朝と夕方の2回です。
「見るのも初めて」「飼育も初めて」初めてだらけのグンディ
―――活発に動き回るグンディの様子が見られそうですね。ところで飼育担当の長嶋さんから見て、グンディの興味深いところはどこでしょうか?
グンディは順位がある社会を形成して、群れで暮らします。上下関係もシンプルで、強いものが上位、弱いものが下位という具合です。
―――見た目がかわいいので、てっきりみんなで穏やかに暮らすのだと思っていました。
社会秩序がしっかり保てていれば、穏やかに暮らしますね。しかし、環境の変化などで群れの構成が崩れると、争いが起こります。社会性があり、群れで暮らすグンディだからこそ、崩れた秩序を立て直そうとして争いが起こるのでしょう。
―――そんなグンディの飼育にあたって、気をつけていることはありますか?
日本でまだほとんど飼育されていませんし、もちろん私も初めてお世話をする動物なので、常に気を配っていますね。
神戸どうぶつ王国のグンディたちは、埼玉県こども動物自然公園からやってきたのですが、その担当者からは「匂いや環境の変化に敏感」と聞いています。今も日々の行動をチェックしながら、慎重に飼育をしています。
グンディに会えるのは、神戸どうぶつ王国の北フロア「コンタクトアニマルズ」。同じく砂漠地帯に生息する、「砂漠の天使」スナネコがいるエリアだ。
グンディが重なったり、キスのような仕草をしたりする姿を見に、神戸どうぶつ王国を訪れてみてはいかがだろうか。
【神戸どうぶつ王国】https://www.kobe-oukoku.com/