季節の変わり目…猫がいる部屋のエアコン設定、21℃未満は「おすすめできません」 快適な温度・湿度を獣医師が解説

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まだまだ冷え込みが残る日々です。室内で犬や猫などのペットと一緒に生活していると、エアコンを付けていても「ペットが快適に過ごせているかどうか」気になることも多いのではないでしょうか。家庭用エアコン「霧ヶ峰」を製造販売している三菱電機は、このほど「ペットにとって快適な室内環境づくりのポイント」を紹介。ヤマザキ動物看護大学准教授で獣医師の茂木千恵さんが解説しました。

それによると、ペットに最適な温度は、犬種や猫種、健康状態、年齢など、多くの要因によって異なるものの、冬場は室温が15℃以下になると体格の小さなペットや高齢のペットは体温を維持できなくなり、体調を崩してしまう危険性が高まるといいます。

犬の場合、快適な「室温」は20∼22℃がおすすめだそうです。子犬、年配の犬、小型の短毛の犬、健康状態の悪い犬には、暖かいベッドまたはソファの上で過ごせるよう、家具配置を検討したほうが良いそうです。

また、猫にとって快適な「室温」は21∼28℃がおすすめといいます。21℃未満の室温では、猫が体温を維持するのが難しくなるため、茂木さんは「設定温度をそれより低くすることはおすすめできません」と述べています。

また、ペットと過ごす部屋の「湿度」は、犬の場合は40∼60%、猫の場合は50∼60%がおすすめなのだそう。床や家具などと擦れることで、ペットの毛は静電気を帯びるといい、放電ショックを低減するためにも湿度を維持したいといいます。適切な温度・湿度を維持した部屋ではペットが落ち着きやすくなるといいます。

また、ペットの快適な室内環境づくりにポイントとして、以下の4点をあげています。

▽ペットが不快と感じたときに移動できるよう、他の部屋への通路を開けておくようにしましょう。

▽冬場はこたつ、ホットカーペットなどの暖房器具で部分的に暖めることも有用ですが、長時間使用させないようにしましょう。ペットは部分的に体表が熱くなることには鈍感なので低温やけどの危険があります。

▽入りやすくて快適で静かな場所にハウスやベッドを用意してあげましょう。ペットは周囲の視線から隠れることで落ち着き、イライラが軽減されます。また、屋根があったほうが内部も薄暗く落ち着きます。

▽ペットのトイレは快適な室温が保たれた場所に配置しておきましょう。トイレの位置が暑すぎたり寒すぎたりするとトイレに行くことを我慢して、思わぬ病気の原因になってしまうこともあります。

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さらに、「季節の変わり目」である春先は、寒暖差でペットが不調になりやすい時期だといいます。

茂木さんは「外気温は日中上昇するのに夜間は冷え込むため、窓際で外を眺めるのが好きなペットたちも影響を受けます。特に犬は散歩に出るたびに気温の変化を体感することになる」と指摘。

ペットはその寒暖差に対応するため、自律神経を活発に働かせ、例えば気温が高いときには、体内から熱を逃がそうと血管を拡張させたり、気温が低いときには、熱を逃さないよう血管を収縮させたりしているそう。しかし自律神経は温度差があると乱れてしまうため、真冬よりもエネルギーが消耗されやすく、「食欲が落ちる」「胃腸の調子が悪くなる」といった症状が出ることがあるといいます。また、低気圧と高気圧の入れ替わりが頻繁に起こるため、自律神経の切り替えがうまくいかなくなることもあるといいます。

茂木さんは「一日のうちの大半を過ごす屋内の環境を一定に保ち、ペットたちにとって快適な室温と湿度を心がけることで、上述の不調の軽減が期待できます。ハウスダストなどの微粒子も空気清浄機などを有効に活用して排除することをおすすめします」と解説しています。

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三菱電機が犬、猫のペットオーナーそれぞれ300人(東京・大阪在住で20代∼50代の男女・計600人)を対象にアンケート調査をしたところ、64.1%がペットに適した温度設定を意識していたそうです。しかし、そのうち34.6%が「ペットにとって快適な温度が分からない」と回答していたといいます。また、湿度についても43.7%がペットに適した設定を意識しているものの、そのうち26.0%が「快適な湿度が分からない」としていました。

なお、「季節の変わり目になると、ペットが体調を崩さないか不安」と52%が回答していたそうです。

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