「出産手当とか育児手当とか最初から母親に振り込めば良くね?????」をはじめ、ふられぼんさん(@flarebonkapuka1)がTwitterに連続投稿したつぶやきがSNSで話題になっています。実際に子どもを育てているのは母親なのに、別居していたり、離婚調停中だったりすると、「世帯主」の男性に子供にまつわる各種手当や給付金が振り込まれてしまうと言います。この投稿にはたくさんの女性から共感したというリプライが寄せられました。
「本当それです。世帯主にしか振り込めないと言われ、児童手当全て搾取されています。悔しい」
「何故やらないかできないか謎ですよね?希望しても『収入の多い方』と言われてしまいました…」
「産まないし、主となって育てないやつに振り込む意味がわからない」
「父親の収入だけで生活でき、専業主婦の母親が家計管していた頃の時代遅れの決まりごとを頑なに変えない理由はなんなんでしょうね。男女平等を唱えるならこういう細かいところこそ役所が率先してやってよ!と思います」
「本当そう思います。児童手当の振込先が旦那の口座のため、給付金の10万から家賃と車の保険が引かれてしまいました。この時こそ、なぜ母親の口座じゃないんだって怒りが込み上げました」
すでに振り込まれた給付金も、実際に子どもを食べさせている人に届いていないこともあるようです。投稿者に、お話を伺いました。
ーーふられぽんさんについて教えていただけますか。
「DVから子連れで逃げてきたシングルマザーです。今は離婚が成立しました」
ーー給付金ももらえなかったのですか。
「給付金の振込先は、地域差もあるようですが、役所で聞いたらだめと言われました」
ーー何度か交渉したのですか。
「何度も交渉したかと言われると、そうではありません。一度聞いてみてだめだとあきらめてしまうんです。DVから逃げてきて、子育てもあって、毎日がぎりぎりのところで頑張っていて、ダメだといわれたことを何度も交渉する余力が残っていません」
ーー「世帯主」の男性には交渉しましたか。
「世帯主に交渉できるかというと、それはまず無理です。そもそも連絡をとることも怖いです。何かを要求すること自体が難しくて、お金を返してもらうのはまず無理です」
ーーDVの加害者と交渉するのは難しいですよね。
「事実上子育てをしている人に振り込まれるのがいいと思いますが、同居してたら世帯主に振り込まれてしまいますし、別居すると普通は住民票を動かすのですが、DVがあると避難先に押しかけられるのが怖くて住民票が動かせません。住民票を動かしても取り寄せできる人を制限する支援措置という制度もあるのですが、一年ごとに更新しないといけなくて、そのたびにDVの説明をさせられますし、その制度を利用することを名誉毀損だとか言う人たちが増えているので、みんな利用しにくいんじゃないかと思います」
ーー行政は何かしてくれましたか。救済措置など。
「各種手当てを渡さない夫に対して行政が何かしてくれるってことはないです。知恵も貸してくれません。というか、DVの加害者に請求する知恵ってないんじゃないかと思うので、給付金は世帯主ではなくて、個人口座に入れるのが一番いいと思います」
ーー弁護士には相談しましたか。
「離婚調停などの手続き中は、弁護士さんから頼んでもらうとかできると思いますけど、それでも渡してはくれません。給付金のために弁護士さんに頼むとか難しいと思います。気軽に頼めるように、行政が支援してほしいです」
ーー実際、お金が振り込まれなくて、どんなことに困りましたか。
「手当が振り込まれなくて困ったこと・・・。困るのがあたりまえすぎてどう答えたらいいのか分かりません。生活に困っていて、給付金があると聞いたら少しホッとできますが、それも届かないということなので・・・。皆さんがもらえるものが自分には届かないことで、精神的にも追い込まれます」
◇ ◇
「『世帯主』とか、『戸籍筆頭者』とか、家父長制がずっと残っていて、DV被害者が生きるには、本当に厳しい国だなって思います」と言うふられぽんさん。実際に子どもを育てている人に必要な支援が速やかに届くよう制度設計されることが求められます。