11月30日、「日本で一番購入の難しいレトルトカレー」の直売所が大阪・北新地にオープンした。
このカレーは元々、同地の紹介制の小料理バー「北新地 玉鬘(たまかずら)」でお酒の締めとして提供されていたもの。ママの井上準子さんの初孫の誕生を記念し、2019年11月にレトルト化したが「店で過ごした時間、味の記憶がなければ同じ材料・調理法でも玉鬘の味にならない」と店頭以外で販売しなかったため"日本で一番購入の難しいレトルトカレー"として話題になった。
その伝説的なレトルトカレーがなぜ今回、直売所まで設けて大々的に販売されるに至ったのだろうか。準子ママにお話を聞いた。
--開店当初、お酒の締めにカレーに提供しようと思われた経緯をお聞かせください。
準子ママ:開業は25歳の誕生日でしたから、今から33年3カ月前のことです。家族も大好きな我が家のカレーをお酒の締めに出してみたところ、案外評判が良く、段々とお客様からのリクエストが増えたので定番メニューになりました。
--味づくりのこだわりをお聞かせください。
準子ママ:サラダ油やマーガリンは一切使わずに、国産バターだけで玉ねぎ、ひき肉、人参を炒めて、業務用カレールーで仕上げています。レトルト化にあたっても約6ヶ月の開発期間を設けて、お店の味を再現できるように努めました。
--これまでお店でしか販売されていなかったレトルトカレーですが、なぜ今回直売所を設けられることになったのでしょうか?
準子ママ:コロナ禍の影響で、玉鬘も北新地の多くの飲食店同様1年以上休業しておりました。ですがそんな中、日本中のレトルトカレーを集めたイベント「レトルトカレーミュージアム」から依頼があり出展。一般販売を開始したところ今までに1万食を販売するほどの大反響となりました。初孫の誕生を記念して作ったレトルトカレーに助けられ、コロナ禍の休業を乗り越えることができたんです。
今年2人目の孫が誕生しました。4年後には大阪・関西万博もありますし、これを機会にうちのカレーを北新地名物、大阪名物として多くの方に知っていただきたいと思い、直売所をオープンすることになりました。
--今後の意気込みをお聞かせください
準子ママ:孫ボーイズの手を引いて大阪万博に行くのが当面の中期目標です。そしてうちのカレーを551の蓬莱と肩を並べるような大阪名物に育て上げるのが長期目標です。この文言はカウンターでのネタにしてます(笑)。
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「日本で一番購入の難しいレトルトカレー」は作りの丁寧さがよくわかる甘く優しい味わい。付属の秘伝スパイスで、途中で味変させるのもオツなものだ。
準子ママの真心と名店の記憶が詰まった大阪・北新地の名物カレー。ぜひ多くの方に味わっていただきたい。
「玉鬘直売所」
所在地:大阪市北区曽根崎新地1-6-13
営業時間:18時~23時
定休日:土曜・日曜・祝日