突然の学校臨時休校…子どもの預け先に困ったシングルマザーを救ったのは、疎ましく感じていた「日ごろの人脈」

長岡 杏果 長岡 杏果

新型コロナウイルス感染症に限らず、インフルエンザやノロウイルスといった感染症が流行した場合にも学校は臨時休校になることがあります。子どもを感染症から守る措置であると理解はできるものの、休校時の対応に悩む共働き家庭、ひとり親家庭は多いのではないでしょうか。Aさんのお子さんが通う学校も、このほど5日間の臨時休校に。Aさんもお子さんの対応に悩んだといいます。

突然の学校臨時休校…学童保育も休みで大ピンチ!

ある日、仕事中のAさんのもとへお子さんが通う学校から連絡メールが届きました。内容を確認すると、そこには「学校臨時休校」の文字が。

隣町の小学校で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生し、まん延防止のためにと市が5日間、市内の小中学校を一斉休校にすると決断したのでした。

Aさんのお子さんは学童保育に通っていることもあり、「学校が休みの間は学童保育に預けよう」と思っていたそうです。

しかし、学校から連絡があったその日に学童保育からも閉所する旨の連絡があり、預けることはできなくなりました。

学校臨時休校に加え、学童保育閉所と、途方に暮れてしまったAさん。その当時を振り返り、「5日間も仕事休めないよ…。どうしよう、と考えるあまり、その日は仕事が手につかなくなった」とおっしゃっていました。

欠勤?ファミリーサポートを利用?

Aさんは有給休暇を使い、休むことも考えましたが、有給休暇の残りは2日だけ。5日間休むと、3日分は欠勤扱いとなり、減給されてしまいます。

また冷静に考え、減給に関係なく、「さすがに5日間連続、会社を休むわけにはいかないだろう」という結論に至り、「仕事を休むという選択はできなかった」と言います。

Aさんのご両親は近くに住んでいますが、まだ現役で働いているため、頼ることができません。

仕事は休めない、ご両親にも頼れないという状況に陥ったAさんは、ファミリーサポートを活用することも検討しましたが、利用料が1日6000円、5日間では30000円と高額になるため、断念したそうです。

最悪、1人で留守番させるしかないのかと思い、キッズスマホも契約しましたが、まだ小学校低学年のお子さんを1人で留守番させる勇気もAさんにはありませんでした。

本当に切羽詰った状況に悩んでいると、いつもAさん親子に優しく声をかけてくれる近所に住む女性Sさんの存在を思い出しました。

日ごろからの人脈づくりが生きることも

Sさんは、ご自身がシングルマザーだったこともあり、日ごろよりAさん親子のことをとても気にかけてくれていたそうです。

Aさんはもともと社交的なタイプではないため、正直最初は近所付き合いを疎ましく感じていましたが、「子どもが地域になじめるのであれば」と、Sさんを含め近所の方とできるだけ交流を増やすよう心がけていました。

そうするうちに、Aさんの子どもはSさんに懐くようになり、AさんにとってもSさんは話しやすい存在になっていったそうです。

「駄目元でSさんに預かってもらえないか、お願いしてみようかな…」そう思ったAさんは、Sさんに事情を説明。5日間のうち1日でいいから預かってもらえないかSさんにお願いしたところ、快諾してくれた上に2日間も預かってくれることになりました。残り3日間はAさんが有給休暇を取得したり、勤め先の図らいにより職場へ同行させるなどし、なんとか臨時休校期間を乗り切ったそうですが、「Sさんの協力なしでは絶対に無理だった」とAさんは振り返ります。

慌ただしい日々を過ごしていると、人付き合いは面倒だと感じてしまいがちですが、Aさんのように人脈づくりが功を奏し、ピンチを乗り切れることもあります。

ご近所付き合いに限らず、趣味を通じての出会い、職場での出会いなど人との出会いを大切にすることで、育児も応援してくれる心強い存在に出会えるチャンスがもたらされること。そして勇気を出して人に頼ることが重要なことを、Aさんの話を通じて学びました。

頼れる人が身近にいない場合は?

学校や保育園、そして、学童保育などいつ何がきっかけで休校になるかわかりません。Aさんのように運よく預かってくれる方が見つかるとは限らないため、もしものときに備えて、最寄りのキッズスペースや民間の学童保育を探すことが大切だと感じました。

また、自治体によっては、学校自体は休校でも、預け先がない子どもを受け入れる体制を整えているところもあります。学校臨時休校の対応に悩んだ際は、一度、市の教育委員会や、お子さんが通う学校へ問い合わせてみることをおすすめします。

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