ゴミ捨て場で鳴いていた子猫 先住猫たちの威嚇をものともせず、たった一晩で仲間入り

渡辺 陽 渡辺 陽

ゴミ捨て場で鳴いていた子猫

茶々丸くん(生後4カ月・オス)は、2021年10月15日の朝、ゴミ置き場でニャアニャアと鳴いていた。佐賀県に住む大久保さんは、仕事に行こうと駐車場に向かって歩いていたのだが、鳴き声に気づいて茶々丸くんを見つけたという。

大久保さんはすでに8匹の猫を飼っていたので、保護するかどうか迷ったが、茶々丸くんはついてきた。「このまま放っておけない」と思った大久保さんは、仕事の時間も迫っていたのでひとまず茶々丸くんを車に乗せた。会社に着いてから敷地内で降ろしてみると、とにかく後をついて回った。ガリガリに痩せていたので、大久保さんは家にカリカリフードとウェットフードを取りに戻り、水と一緒に与えてみた。

すると茶々丸くんはやっぱりお腹が空いていたようで、フガフガ言いながらごはんに食らいつき、ガブガブ水を飲んだ。

「ごはんを食べて水も飲めたことで一安心しました。とても人馴れしていたので、飼い猫だったのかもしれません」

威嚇されても意に介さない

茶々丸くんはひどい猫風邪をひいていた。鼻が詰まって息もしづらそうで、くしゃみも連発した。大久保さんは「とにかく病院へ連れて行かなくちゃ!」と朝の仕事は休んで動物病院に走った。

治療してもらい、いったん仕事に戻ったが、このままでは仕事もできないと思った大久保さん。帰宅してケージをひとつ空け、先住猫が8匹いるので怖がらないようにタオルケットで目隠しをしてベッドにそっと置いた。先住猫たちはいつもと違う雰囲気を察知し、「知らない猫がいるぞ」とクンクン匂いを嗅ぎ、威嚇した。ただ、それほど強力な威嚇ではなかったので、大久保さんは「相性は悪くないかも。これはうまくいくかもしれない」と思ったそうだ。子猫を産んで育てていた先住猫のこつぶちゃんは、子猫たちを連れて2階に避難した。

茶々丸くんは肝が据わっているようで、他の猫たちを怖がることなくごはんをパクパク食べ、先住猫が威嚇しながら近づいても、威嚇し返すこともなく匂いを嗅がせていた。

一晩で先住猫の仲間になる

大久保さんはいったん仕事に戻ったが、やはり気になって昼ごろ帰宅した。すると、茶々丸くんはベッドで爆睡。先住猫たちも落ち着いたようだった。

「猫には猫の世界があるのでそっとしておき、任せることにしました」

夜、茶々丸くんを少しケージの外に出してみると、先住猫と接触したが、いろいろあって疲れていたのかリビングのテーブルの下のど真ん中で爆睡。先住猫はクンクンお尻の匂いを嗅いでいたが、そんなことはお構いなしだ。堂々とした姿は妙に頼もしく、大久保さんは笑ってしまった。

寝る時にケージに入れて朝出してみると、もう誰も威嚇しなかった。

「懐っこいからみんなが受け入れるのが早かったのか。いずれにせよ相性が良さそうで何よりだと思いました」

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