「猫を殺す」という張り紙に危険を感じて…保護された猫は、コロナ禍で寂しさを募らせていた人の元へ

渡辺 陽 渡辺 陽

ミミちゃん(2歳・メス)は、千葉県内の公園で仲間たちと暮らしていた。ところが、その公園に「猫を殺す」という張り紙が貼られるようになり、個人で保護ボランティアをしていた人が危険を感じ、ミミちゃんと仲間の猫たちを保護したという。

千葉県に住む杉山さんは猫を飼いたいと思って譲渡サイトで探していた。実家にいた頃は犬を飼っていたのだが、猫を飼ったことがなかったので、いつか飼ってみたいと憧れのようなものがあったという。

コロナ禍、仕事は全てリモートになり、仕事が辛いと感じることも多く、一人暮らしなので寂しさが募ってきた。職場の同期の友人が猫を2匹飼っていたことも後押しして、杉山さんは本当に猫を飼う決心をした。その友人に相談しながら本格的に猫を探し始め、ネコジルシというサイトでミミちゃんを見つけたという。

いっぱい食べて大きくなって

保護主のところにミーちゃんを見に行くと、とても儚げな子だった。

「可愛かったのですが、とても小さくて、早くいっぱい食べさせて、元気で大きな子になってほしいと思いました」

譲渡当日、保護主がミミちゃんを連れてきてくれた。ミミちゃんは大人しくしていたが、キョロキョロあたりを見回して観察し、ベッドの裏に隠れた。その後、ずっとベッドの裏に隠れていて、時折杉山さんの目を盗んでは外に出てきてごはんを食べたという。

ワンルームだったので、ケージに入れず、部屋に慣れてもらうため放していた。ベッドの裏から出てきた時にチュールをあげながら撫でるのを繰り返し、少しずつならしていったという。

元の名前は「みーちゃん」だったが、ミーミー高い声で鳴くのでミミちゃんにしたそうだ。

守るものがある幸せ

ミミちゃんは、まるで犬のように人懐っこい。杉山さんの後をついてまわって、来客みんなにスリスリする。

「私が帰宅するといつもトコトコ走って出迎えに来てくれるのですが、その姿にはキュン!とします。他の人にはしないので、私のことを飼い主だと思ってくれているんだなと思うと嬉しくて!」

ミミちゃんを迎えて杉山さんは以前よりずっと気持ちが明るくなり、よく眠れるようになった。ストレスが減ったことを実感しているそうだ。「守るものがある」というのも幸せなんだという。

「ミミは歯周病と口内炎のため抜歯をしますが、早く終わってもっとごはんを食べてほしいと思っています」。そう語る杉山さんは、母のように強くなったのかもしれない。

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