家族になった白猫と黒猫 最初は「シャー」→今では2匹寄り添ってすやすや

渡辺 陽 渡辺 陽

保護猫を引き取りたい

リリーちゃんとジジちゃんは兵庫県動物愛護センターで保護されていた。

兵庫県に住む立花一家は家族全員動物が好きだったが、ペットを飼えない物件に住んでいたのであきらめていた。しかし、子供に手がかからなくなり、年齢的にもペットを飼える最後の機会になると物件を探していたところ、条件に合う家が見つかったので引っ越した。犬にしようか猫にしようか迷ったが、みんな早起きが苦手で、朝の散歩が難しく、夫も立花さんも子供の頃猫を飼っていたので、猫を飼うことにした。

立花さんは多頭飼育崩壊や動物の殺処分について兼ねてから関心を持っていて、日頃から何かできることはないかと思っていた。街頭やネットで募金をしたこともある。しかし、自身が保護猫を引き取ることが本来一番したかったことなので、ペットショップやブリーダーで猫を買うということは全く考えていなかった。

どの子でもいい

立花さん一家は、動物愛護センターのサイトに掲載されていたミルクティー色の子猫に会うためにセンターに行った。

「ところがその子はとても人気のある子だったんです。センターの人に『他にも希望者が多数いる、一番人気なので専業主婦で留守番の少ない家庭に譲渡すると思う』と言われました」

立花さんは、実際に猫たちを見た時、どの猫にも心を奪われたので、「引き取らせていただけるならどの子でも結構です」と伝えた。その結果、リリーちゃんが来ることになったという。

 母性を刺激された

リリーちゃんは、生後2ヶ月の4姉妹のうちの1匹だった。

「久しぶりに目にする子猫の愛らしさに、16年ぶりに母乳が出そうなくらい母性が刺激されました。もともと犬派の娘ですら瞬時に猫たちにメロメロになったんです。この4姉妹のうちの1匹を迎えたいと思いました」

立花さんは、猫にも遊び相手が必要と、最初から2匹飼うと決めていた。娘がアニメ映画「魔女の宅急便」の大ファンで、「白猫が来るならもう1匹は黒猫で」と言うので、愛護センターに黒猫希望と伝えた。公募ではなく直接ジジちゃんを紹介してもらったそうだ。

リリーちゃんを迎えてから約2週間後、ジジちゃんを迎えた。ジジちゃんは、初めて会ったときは人見知りをして、あまり甘えることはなかった。

子猫同士仲良しに 

リリーちゃんは愛護センターから連れて帰る車の中で、不安そうにミャーミャー鳴いていた。家に着くと最初の数時間こそ所在なさげにしていたが、すぐに立花さんの胸の上に乗って昼寝を始めた。最初から人懐っこくて甘えん坊だった。 

ジジちゃんは愛護センターの人が連れて来てくれたが、既に家に慣れていたリリーちゃんに追いかけられてシャーと威嚇したり、ソファーの裏に隠れたりしていた。しかし、夜にはリリーちゃんと一緒のベッドで寝ていたという。

「子猫同士だからかすぐに打ち解け、今でもとても仲良しです」

ジジちゃんは最初の頃は甘えることも少なく、抱っこされるのをとても嫌がったが、家に来て1ヶ月くらい経ったころ風邪をひき、回復するにつれどんどん家族に甘えるようになったという。

可愛くて仕方がない

リリーちゃんはお転婆で立花家のお笑い担当。面白いことや新しいこと、悪いことをするのはだいたいリリーちゃんだ。人は噛まないが、ひもやオモチャなどをかじる。一度、おもちゃを飲み込んで嘔吐し、病院で処置してもらったことがあるので、いつも細心の注意を払っているという。

ジジちゃんは臆病で慎重。お昼寝していても近付くと目を覚ます。リリーちゃんに比べて妹気質で、食べること以外はリリーちゃんに譲ってもらっている。猫らしくスリスリしてくることはないが、甘えたいときは顔を見上げてミャーと鳴き、ついて回ってゴロゴロいいながら指をチュパチュパする。

家族全員寝起きのテンションがとても低いが、猫たちにはワントーン高い声で「おはよう」と声をかけ、ナデナデする。帰宅するとまず猫たちに「ただいま」と声をかける。生活はすっかり猫中心になった。

「なるべく誰かが家にいようとするし、猫と一緒の部屋にいます。家族で食事き行っても、食べ終わる頃には早く帰ろうとソワソワしだします」

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