「テレワークではオフィスほど仕事がはかどらない」…米英など7カ国で働く人々を対象に行った調査で、そのように答えた人が日本だけ唯一、多数を占めたそうです。調べた会社は「判子や書類へのサイン、保存してある書類を確認するなど、オフィスでしかできない紙を使った業務が、テレワーク環境下の仕事効率化の妨げになっている」などと分析しています。
ソフトウェア企業のアドビが、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの7カ国で、従業員数1000人以上の企業に勤める男女・計3404人を対象に行った調査です。2021年4月から5月にかけてインターネットで行われ、このほど結果が公表されました。
「オフィス勤務よりテレワークの方が仕事がはかどりますか?」の質問に対して、7カ国全体では約7割が「そう思う(69.1%)」と答えたのに対し、日本で「そう思う」と回答したのは42.8%と過半数を割り、7カ国中で最も低い数字となりました。
全体の業務時間の中で「雑務にかける時間の割合」を聞いたところ、日本は35.5%と、7カ国中で最も雑務に時間をかけていることも分かりました。
また、「テレワークによってワークライフバランスは向上しましたか?」の問いに対しても、日本では73.0%が「向上した」と回答しましたが、全体の平均は85.5%で、こちらも7カ国中で最も低い数字だったといいます。
作業効率化のために「デジタルツールを導入してほしいタスク」を聞いたところ、日本では1位が「紙文書の作成・確認作業(71.0%)」、2位「ファイル管理(70.6%)」、3位「ファイル検索(62.6%)」という結果に。同社は「紙を使った業務が多く残る日本では、紙文書のデジタル化がテレワーク体験向上の鍵になると考えられます」と説明しています。