「退職時、ほとんどの人が本当の退職理由を会社に伝えずに退職している」という話題がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは株式会社UZUZ代表取締役社長「ひろさん」(@okamoto_uzuz)の
「退職する社員のほとんどが『本当の退職理由を伝えてない』という事実に、我々経営者はもっと向き合わないといけない。」という投稿。
たしかによほど心の通じ合った経営者でもなければ、退職時にわざわざ角の立つ恐れのある話題はしたくないと思うのが人情。退職時の行動に関するアンケートにいくつか目を通したが、いずれも大半の人は本音を隠し、当たり障りない退職理由を挙げるということだった。ひろさんの投稿に対しSNSユーザー達からは
「だって言う方に損はあっても益が何もないもの…
経営戦略的な名前の専門の役職者作って
退職決まった奴に会社の経費で高い飯喰わせながら
確認は会社の改善点の為で他部署に他言しない
位言わないと…」
「まぁ厳しい事言うと辞職決めた段階でほぼ経営者とは縁切りなのでその後の会社や経営者がどうなろうと知ったこっちゃないです
理由ぼかして辞める奴確実にそうです
多分経営者は知らなくても従業員はみんな知ってます
経営者は知らされないです
その人が辞めるとき困るから
そういうこと」
「以前、依頼を受けてある大企業を30歳で辞める方に理由を聞いたらびっくりする内容が出てきて、それを会社にレポートしたところ信じられないと言う理由で却下されたと言うことがありました。」
「現派遣先で辞めていった中堅2人、あきらか上司のパワハラが耐えられなくてと周りの誰もが知っていますが、本人達ゎ『他にやりたい事がある』『地方の親の体調が悪く』と説明したらしいです。
それを真に受けて、今でも『アイツらわ根性無し』と上司ゎ笑い話しのネタにしてます。」
など数々のコメントが寄せられている。
ひろさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):このような退職例について、ひろさんが特に印象的だったものをお聞かせください。
ひろさん:10年間第二新卒のサポートしてきたので数多くの退職の話を聞いてきました。表面上では「家族の介護で」「結婚するため」「やりたいことが見つかったから」「地元に帰るため」などと伝えつつ、実際は「人間関係の不和」「給料への不満」「会社の体制への不満」など全く異なる理由で辞めた方はたくさんいるようです。やはり多くの人が、退職の際は本音を伝えることを避けるのだなと感じています。
中将:過去にひろさんご自身がお勤め先を退職された際、退職理由は正直にお伝えになりましたか?
ひろさん:私は「起業したいので辞めます」とメチャクチャ正直に伝えました!
中将:本当の退職理由が言いやすい風通しのいい職場づくりのためにはどのような取り組みが重要だと思われますか?
ひろさん:退職自体は悪ではないと思いますが、できるだけ本音を伝えてもらえるようになるには退職の相談が来たときにはもう手遅れです。「辞めるために穏便に」となるのは仕方がないことなので、もっと手前の段階で声を拾い上げることが大事だと思います。
従業員の意見から制度や仕組みに反映したことをしっかり社内に共有し、「声をあげれば、聞いてもらえることもあるんだ」となれば、改善ポイントを言ってもらえるようになると思っています。
中将:これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
ひろさん:「辞める会社のために言うことなんてなにもない」「経営者は何も分かっていない」という厳しい反応を数多く目にしました。私も含めて、このような声を真摯に受けとめ向き合っていく経営者が増えていけば、従業員と経営者が一丸となって前に進んでいける会社が増えるのではと思います。
◇ ◇
退職理由が言いやすい経営者ということは、すなわち退職を決意するまでに諸々の相談をしやすい経営者、ひいては長続きしやすい会社ということにもなろうかと思う。経営者や人事に携わる方はぜひ一度ひろさんの考えに耳を傾けられたい。
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