「深淵を覗く時、深淵もまた…飛び出してきた!」実は交通事故に遭った迷い猫、本当のママはどこ!?

はやかわ かな はやかわ かな

「深淵を覗く時、深淵もまたこちらをのぞ…飛び出してきた… 」と、ドイツの哲学者・ニーチェの名言にたとえて2枚の写真をツイッターに投稿した、こんやさん(@konya_00100)。

まず1枚目に写っていたのは、囲炉裏のように真ん中に穴が空いたローテーブルの暗い穴の中から、こちらを覗く2つの瞳。そして2枚目に写っていたのは、その穴の中から勢いよく飛び出してきた黒い子猫の元気な姿!

まさしく、覗き込んだ深淵が「ミャー」と勢いよく飛び出してきたかのような2枚に、「この深淵めちゃくちゃかわいい」「深淵がなでてほしそうにこちらを見ている!」と、その可愛さに悶絶するたくさんのリプライが寄せられました。

「これは可愛い深淵」
「深淵を覗くとき、深淵は飛び出してくるのだ」
「しかもなにかを訴えてるのだw」
「チュール下さい」
「なんというきゃわわな深淵…めっちゃ覗くわ…」

続けて投稿されたツイートによると、飛び出してきた可愛い深淵の子猫は、ツイ主のこんやさんが保護し、現在、元の飼い主さんを探しているという、迷い猫。こんやさんから宵(よい)ちゃんという可愛い仮名をもらい、懸命のケガの治療とワクチン接種を受け、愛情たっぷりにお世話をしてもらったおかげで、今では元気いっぱい、元の飼い主さんが迎えに来てくれるのを待っています。

「この四角い穴は?ネコちゃん専用の遊び場?」というリプライも寄せられていた深淵猫テーブルから飛び出してきた子猫、宵ちゃんについて、こんやさんにお話を伺いました。

ーー飛び出してきた深淵猫、見事なシャッターチャンスですね。

「キッチンで料理をしている際に偶然発見し、撮影出来たものなんです。子猫の宵は大変活発で、夕方~夜は部屋中を駆け回っているか、私にジャレついているかなのですが、ふと足音も姿も見えなくなり、”何してるのかなー?”と探してみたところ、あの穴の中で闇にまぎれこむように収まっておりました…。1枚目の写真を撮った際に目が合い、飛び出して来たところをあわてて撮ったのが2枚目です(そのため若干ブレています)」

ーー宵ちゃんはよくテーブルの穴の中に?

「はい。今までも、あの穴に出たり入ったりを繰り返して遊んでいるのを見てはいたのですが、おとなしく収まっている姿や飛び出る瞬間をなかなか写真に収めることができなかったため、激写できたのが嬉しくてツイートしたのを覚えています」

ーー奇跡の1枚だったのですね。

「もともとは先住猫の忍(しのぶ)が遊ぶかな?と思い、本棚やディスプレイ用にストックしていた木箱を組み合わせ、リビングテーブルの代わりにしていたのですが、忍はこの穴に興味を持ってくれませんでした。そんな時に宵を保護し、この度ようやく本来の役目を果たしてくれました!感無量です…。

ただ、部屋中を駆け回っている宵と、それに便乗する忍が度々穴に足を滑らせるため、結果的には穴の上に板を置くのがデフォルトと化しております。宵はそれでも板を押し退けて穴の中へ入っていくため、もうこれでいいかな…と思うことにしています」

ーー元気いっぱいなんですね。

「とても活発で、よく食べ、よく走り回り、よく鳴き、元気でやんちゃで甘えん坊な可愛い子、といった印象です。目が合えば寄って来て、飛びつかれて爪が刺さったり、横になれば昼夜問わず手や顔を舐め回してきますため、私自身は少々寝不足になる日々を送っております…とても幸せです(笑)」

飛び出す子猫、実は迷い猫で飼い主さんを探しています

ーーそんな可愛い子が実は迷い猫なのだとか。

「保護したのは仕事に向かう道すがらでした。交通量の少なくない細道の隅で、黒くて丸い何かを見かけ、気になって引き返しました。その時の宵は、鼻から血を流し、顎が赤く腫れ、舌も仕舞わず歯を食いしばり、鳴きも動きもせず、小さく丸く固まっていました。

そんな状態でしたので、仕事を抜けられる時間を作り、急いで先住猫の忍のかかりつけの病院へ連れて行きました。幸い、骨折や内臓の損傷などはなく、諸々薬を処方して頂き、自宅治療となったのですが、その後もしばらくは鳴きもせずごはんも食べずだったため、ずいぶん心配いたしました」

ーーよくぞここまで元気に…!

「今では、良く鳴き良く食べる子になりましたため、当時はよほど緊張していたのか、はたまた猫をかぶっていたのか…と疑っております(笑)」

ーー先住猫のロシアンブルーの女の子、忍ちゃんとの現在の距離感は?

「忍は現在2歳なのですが、宵とは程よい距離感を探りつつ、および腰ながらも、自身から近づき匂いを嗅ぎに行くなど、徐々に興味の範囲を広げている最中、といった感じです。ただ、忍はひとりっ子期間が長かったため、人間相手ならば問題ないのですが、元気いっぱいな子猫が相手ですと、勝手がわからず、戸惑っているように感じます。

ゆっくり時間をかけ、宵自身が落ち着いた年齢になればあるいは…と気長に見守っておりますが、当面は忍にとってはかなりのストレスになると考えられます…。なので、できれば宵を元の飼い主さんのところに無事に返してあげられたらと思っています」

ーーすでに警察などに宵ちゃんの保護届けを出しておられるとか。

「保護した際、身体も汚れておらず、野良という感じでもなかったので、警察等へは拾得および預かり届け出済みなのですが、まだ連絡はありません…。

飼い主さんの取り違え等を防止するため、保護時の詳細は伏せておりますが、もし心当たりのある方は、一度私の方までDMにてご連絡下さい。もし該当内であれば、拾得物届けを提出している警察署をお伝えしますので、ご本人様より警察署に問い合わせて頂き、きちんと手続きを踏んだ上でお返しをする予定です」

ーー宵ちゃんのような迷い猫を出さないためにはどうすればいいのでしょうね。

「改めて、難しい問題だと考えております。昨今、猫にとっては室内飼いが良いと推奨されてはおりますが、私が現在住む地区ではまだ、外飼いの飼い猫も多く見られます。広い外でのびのび暮らしている姿を見られる一方で、宵のように、道に迷い、事故によってケガをしてしまう猫や、亡くなってしまう猫も見かけます…。

また、外を歩く猫の中には首輪をしていない猫もおり、一目見て、飼い猫なのか野良猫なのか迷い猫なのか保護対象なのかを判別するのは難しいと感じます。宵も、首輪もなくマイクロチップも入っていなかったため、飼い主さんがいるかどうかすらわかりません。万が一を考えて、外飼い室内飼いを問わず、愛猫には首輪とマイクロチップ、必要であれば迷子札などの導入を飼い主の皆さまにご検討頂けたら…と思います」

 ◇ ◇

現在、宵ちゃんはこんやさんのお家で元気いっぱいに駆け回りつつ、元の飼い主さんが現れるのを待っています。

宵ちゃんの「飛び出してきた深淵猫」のツイートは、すでに多くのリツイートなどを経て、広く拡散されています。心当たりのある方は、「子猫が行方不明になった日時」と「県名と市区町村」を明記し、こんやさんのDMまでご連絡をお願いします。

まいどなニュースでは今後も引き続き、「宵ちゃんの元の飼い主さん探し」を見守っていきます。

■こんやさんのTwitterアカウント

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