京都府宮津市日置の若手農家が2020年から手がけるレモン栽培が軌道に乗り始めた。温暖な気候で育つレモンを降雪地で育てる挑戦で、雪対策や販路確保の努力を続けてきた。今シーズンは1トン以上の収穫が見込める実りの冬に結実した。
農家は矢野大地さん(34)。21年に高知県からUターンし、特徴のある農産物を作って地域の魅力につなげようと、遊休農地を活用してレモン栽培を始めた。雪の中でも実をつける実家のレモンを見て可能性を感じ、貯蔵性や汎用(はんよう)性が高いことから着目した。
香川県のレモン農家の「師匠」に木の剪定(せんてい)法などを教わり、京都府京丹後市の牛ふんやカキ殻を肥料に減農薬にこだわって栽培。積雪で枝が折れる被害もあったが、雪つりをしたり、寒さ対策で実に袋がけをしたりして課題をクリアした。
その結果、栽培は約750本、1ヘクタールに。収穫は通常、10月から1月までだが、昨年からビニールハウスでの栽培も始め、生育環境の温度を上げることで8月からの早期の収穫も目指す。
宮津市の飲食店や直売所だけでなく、京都市や京都府福知山市の菓子や酒造メーカーに出荷。21年から続けてきた師匠の実を使ったレモネード販売で魅力のPRを続けてきた。
矢野さんは「当初は雪が降るので大丈夫かという声もあったが温暖な地域に負けない、香りのいい実ができ、栽培する仲間も増えてきた。収量を上げ、地域で当たり前に使われるブランドにしていきたい」と意気込む。