ペット防災「犬や猫の災害時の避難」~ペットとの避難のポイントは?専門家の獣医師さん聞きました~

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災害が発生し、いざ避難するとなった時に、飼っているいる犬や猫も一緒に避難することになります。いざという時に、ペットと一緒に安全を確保するために飼い主がどんな行動を取ればよいでしょうか。落ち着いて行動ができるようにしましょう。


動物との同行避難

動物との『同行避難』とは、災害発生時に飼い主が避難する際に、避難所まで、飼育している動物を一緒に連れて行くことです。しかしこのことは、避難所で、人と動物が同一の空間で居住できることを意味するものではありません。
それぞれの避難所のルールに従ってください。また、普段から家族で最寄りの避難所や避難経路について確認しておきましょう。


災害発生時の「自助」「共助」

災害発生時の対応は、自らが自らを守る「自助」、地域の人たちの助け合いである「共助」、公的機関による市民への「公助」に大きく分かれます。
災害が発生した時、公的な支援が被災地域に行き届くまでには、その規模に応じて時間、日数がかかります。また、その対象も広範になりますので、届いたとしても満足のいくものになるとは限りません。
すべてそれに頼るのではなく、できる範囲は「自助」し、近隣の人たちとの「共助」を心がけることが大切であり、これは動物の救援・救護においても同じです。自らと動物たちのために、心の備えをしておきましょう。


ペットとの避難のポイント~専門家の先生に聞きました~

いざ災害が発生したときには、どのように行動すればいいのか、また普段からやっておくことなど、Pet Clinicアニホス院長 博士・獣医学 獣医師 弓削田直子先生に詳しい話を聞きました。
―普段からやっておくことについて
『災害時の避難は、ヒトの生命が第一となります。飼い主様が安全に避難できなければ犬や猫を避難させることは困難です。いざという時に備えて、ご自宅地域の災害ハザードマップを確認しておくこと、日頃から避難場所(ペットとの同行避難可能であるかの確認も必要です)や避難経路について確認しておくことが大切です。そして、特に犬を飼育している飼い主様の場合には、避難経路をお散歩コースに取り入れて、日頃から馴れておくことがお勧めです。さらに、避難経路やお散歩コースで出会う犬のお友達などと交流し、災害時の様々な事についてお話しすることも非常に大切です(「共助」)。(実際の災害時に助け合いで救助された飼い主様達からのアドバイスです)』
―では、実際に避難する場合について
『実際に避難する場合、キャリーバッグは飼い主様の両手が空けられるリュックサックタイプのソフトキャリーがお勧めです。大きな犬や多頭飼育の猫などの場合にも、対応可能な折り畳み式のソフトケージもありますので一つ用意しておくと安心です。
避難においては、特に猫や分離不安症の犬の場合、キャリーやケージに入る「クレートトレーニング」がされていない場合が多いので(猫は動物病院に行くときにキャリーに入れる事すら大変!という飼い主様がほとんどです)日頃(犬猫を迎え入れた時)から「キャリーやクレートに入る事」に馴れさせておくことがとても大切です。』
―そのほかにも心掛けておくことは…
『災害は季節を問わず突然やってきます。自家用車を所有している飼い主様の場合には、車両の燃料をできるだけ満タンにしておくと、夏季には冷房を使用することが可能となり、飼い主様と犬(特に短頭種)にとって熱中症予防にとても役立ちます。』
いざ避難するとなった時にペットと一緒に避難できるよう、避難経路を意識したお散歩コースやお散歩中のコミュニケーションを大切にし、また、避難用のキャリーバッグにも慣れておくことなど、普段の生活の中でペットとの避難を考えた備えをしておきましょう。

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