「ドリンク代を値上げする代わりにカップを返却すれば値上げ分をバック」
音楽イベントでのゴミの発生を大幅に減少させた画期的なシステムがSNS上で大きな注目を集めている。きっかけになったのは「某レイブで『ドリンクを去年より100円値上げします。ただし、カップ返却してくれたら100円バックします』ってやってて、ポイ捨てした瞬間誰かが拾って換金するから、マジでゴミゼロ達成してて良かった」というバンドマンのYuckeyさん（@AxCx_gore）の投稿だ。
たしかにこのシステムであれば運営にも観客にも負担なくゴミを減らすことができるし、環境に貢献しながらタダ酒が飲めるのだから酒飲みにとってはハッピーなことこの上ない。Yuckeyさんの投稿に対しSNSユーザー達からは
「ポイ捨てする人は100円の罰金。ポイ捨てした人のゴミ（容器）を拾って渡してくれる人には100円の謝礼金。お店の人は後片付けに裂かれる時間や手間を楽できる素晴らしいシステムです」
「ヨーロッパでは結構当たり前っぽい。個人的にはル・マン24時間レースで毎年入手してるけど。パリのエアショーとか、レース前のパレード会場でも専用のカップがあって、カップだけでも買えたり（大体1ユーロ）。お土産とかコレクションにも良いし」
「これ考えた人は頭良いな」
「某スーパーでもお子様乗せられるカートを100円、置き場に連結すると100円返ってくるシステムで、駐車場（屋上、地下）やトイレ前、駐輪場などのとんでもない場所に放置されるのを防いでましたね……良い方法だと思います」
など数々のコメントが寄せられている。
Yuckeyさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ（以下「中将」）：このシステムを導入されていたレイヴについてお聞かせください。
Yuckey：メタモルフォーゼという、静岡の日本サイクルスポーツセンターでやっていたレイブです。このエピソードは10年以上前のことで今は開催してません。フジロックフェスティバルやサマーソニック程じゃないですが、かなりデカイフェスでした。
中将：Yuckeyさんはそれまで参加されたレイヴ、フェス等でのポイ捨て状況についてどのように感じていましたか？
Yuckey：フェスによってまちまちで、こじんまりしたフェスは遊び慣れてるコアな層が多いから綺麗です。フジやサマソニ等のビッグフェスもしっかり管理されてるから汚くはないですね。一番汚くなるのはそこそこの規模のフェスです。メタモルフォーゼもすっごいゴミだらけで汚かったです。
中将：メタモルフォーゼでこのシステムが導入された時の状況についてあらためてご感想をお聞かせください。
Yuckey：この制度がある年はゴミ問題はとても改善されていました。カップのゴミが出ないとみんなポイ捨てしないよう意識するみたいで、カップ以外のゴミも少なかったです。景観も良いし、足元にゴミがないから踊りやすかったし、主催者さん素晴らしい事考えたなって思いました。
中将：ご投稿に対し数多くの共感のコメントが寄せられました。これまでのSNSの反響についてご感想をお聞かせください。
Yuckey：この話自体10年以上前ので、昔から似たような試みはされていたのですが定着せず。それがSNSが発達して、こうやって若い人に広まったのは良かったと思います。これからのフェス世代の人達が上手く活用してくれたらバズった甲斐もあると思います。
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このシステムは「デポジット・リファンド制度」と呼ばれ、ドリンクカップに限らずさまざまな商品の販売に環境対策として導入されているようだ。今後も利用者にメリットがわかりやすい形で普及することで、無駄なゴミの出ない社会が実現することを期待したい。
なお今回の話題を提供してくれたYuckeyさんは現在、ハードコアパンクバンド「Her Vomit is Modern…」のメンバーとして活動中。ウェブ上で、今年2月にリリースされたアルバム「vomit music park Ⅱ」がダウンロード、ストリーミングできるので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
Yuckeyさん関連情報
Twitterアカウント：https://twitter.com/AxCx_gore
Her Vomit is Modern…関連情報
Twitterアカウント：https://twitter.com/hervomitmodern
アルバム「vomit music park Ⅱ 」ダウンロードサイト：https://hervomitismodern.bandcamp.com/album/vomit-music-park
